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松井大輔40歳が明かす“サッカー日本代表への本音”「“直接FKの名手”がいないのはさみしい」「もっと辛口の評論家がいてもいい」
posted2021/12/29 17:06
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
Tomosuke Imai
11月11日に行われたカタールW杯アジア最終予選のベトナム戦で、初めて日本代表戦の解説を務めた松井大輔(40歳)。インタビュー前編では「自由すぎる」と話題になった解説の真意を深掘りしたが、ここでは自身がW杯予選でプレーした経験も踏まえ、日本代表について感じたことを聞いた。
ベトナム戦で松井が待望した三笘薫は、結局出場せず。しかし、その5日後のオマーン戦には途中出場し、決勝弾をアシストする活躍を見せた。元祖ドリブラーでもある松井は、同じくサイドを主戦場とするアタッカーの三笘のプレーぶりをどう見たのだろうか。
「やっぱり一番大事な“相手との間合い”をちゃんとわかっていますよね。僕もそうですけど、ドリブラーはみんな“癖”を持っているんですけど、彼にも独特の癖があります。三笘くんは子どもの頃にネイマールが好きで、よく動画で見ていたそうですが、ボールの持ち方が似ていますよね。たとえば左サイドで持ったとき、右足でボールを後ろにさらすように置きながら『よーい、ドンッ』で右足と一緒にボールを前に持ち出して加速しているので、それだけで抜けちゃう。ほかの選手と比べてズバ抜けてスピードがあるタイプではないと思いますが、相手との間合いや自分のスピードがわかっているから、どのタイミングで仕掛ければ抜けるのかわかっているんでしょうね。
僕もいまはフットサルで、相手にボールをさらすよく似たドリブルをやるんですが、相手との距離さえ間違えなければ、抜き切らなくても絶対にボールを取られないですから。彼にもそうした自分の空間があるんだと思います」
松井は相手との力が拮抗している最終予選こそ、サイドプレーヤーの出来が勝敗のカギを握ると話す。自身もかつてプレーしたサイドで、三笘以外に注目している選手はいるのだろうか。
「中島翔哉くんが調子を上げているなら、また見たいですよね。もちろん、堂安(律)くんもそうだし、久保(建英)くんもそう。サイドこそ日本の宝庫だし、そこの選手のパフォーマンス次第で、日本の攻撃も変わってくると思うんです。伊東(純也)くんや浅野(拓磨)くんなど足の速い選手も出てきて彼らはスペースがあればより生きるでしょうし、古橋(亨梧)くんは(DFの背後に)抜ける動きが素晴らしい。でも、狭いスペースでもいけるのが三笘くんや中島くんで、彼らはドリブルだけでなくパスもありますから」
「圭佑と真司みたいな“コンビ”がない気がします」
そして、松井はこう続けた。