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松井大輔40歳が語る“アテネ五輪世代”の現役引退…阿部勇樹40歳と大久保嘉人39歳「阿部ちゃんから電話がきて…涙が出そうだった」
posted2021/12/29 17:07
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
Tomosuke Imai
今夏、ベトナムのサイゴンFCからフットサルFリーグのY.S.C.C.横浜へ競技転向を伴う異例の移籍を果たし、サッカーファンを驚かせた。
ユース年代から日の丸を背負い、04年アテネ五輪に出場。同じ年に同世代では一早く海外移籍に踏み切るなど「谷間の世代」と呼ばれた1981年(および82年)生まれの選手たちをリードしてきた松井大輔も40歳。残された現役生活をより有意義に過ごすために、新たな挑戦を試みたと話す。
一方で、近年は同世代の選手の現役引退も続き、ことしは五輪やW杯をともに戦ってきた阿部勇樹(40歳)や大久保嘉人(39歳)らがユニフォームを脱ぐ瞬間を目にすることになった。旧友たちの引退に松井は何を思っているだろうか。
「阿部ちゃんからは新幹線のなかで電話がかかってきたので、1度電話を切ってまた話す形になったのですが、思い出が過って涙が出そうになって危なかったですね。嘉人からは、その次の次の日ぐらいに連絡があったのかな。だから、阿部ちゃんと嘉人のダブルパンチで。2人には『フットサルで待ってるよ』と言ったんですけど、2人とも『もうできない。無理、無理』って言ってました(笑)」
「阿部ちゃんは小6から知っていて…」
阿部は松井と同じ81年生まれ。大久保は82年生まれで年は1つ下だが、鹿児島実業と国見、ともに九州の強豪校出身で高校時代からしのぎを削ってきた仲だ。
松井、阿部、大久保の3人は04年アテネ五輪、10年南アフリカW杯でも、日本代表の中心としてチームを引っ張ってきた。
「2人との思い出は本当に深くて……。阿部ちゃんは小6から知っていて、そこからの長い付き合い。関東に遠征に行って、試合をしたときになぜだか仲良くなって。お互いチームのなかでうまかったので、子どもながらに意識し合うみたいな部分があったんですかね(笑)。
プロになってからは阿部ちゃんの活躍を見て、自分も頑張ってきた部分はあります。嘉人も言っていた通り、2人ともまだまだやれるときにやめたいという感じだったんでしょう。でも、引退の仕方は人それぞれ。自分はフットサルから使命をいただいたので、いまは少しでもいろんなことを吸収しながら、フットサル界を盛り上げていけたらと思っています」
「PKを外した駒野のせい」が話題に
阿部とは小学校時代からの付き合いと振り返るが、もう1人、元日本代表で現在はJ3の今治でプレーする駒野友一(40歳)も当時からの仲だという。
「京都出身の僕と(和歌山出身の)駒野は同じ関西だったので。中学に入ると関西選抜で一緒になり、関東選抜と試合をしたときには阿部ちゃんもいて、ほかに(前田)遼一やナオ(石川直宏)もいました。彼らとはその後も年代別を含め代表で一緒になることが多くて、みんな昔から仲がよかったんです」