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ラグビー「リーグワン」の新風に? 期待の“2000年代生まれ”BK、メイン平&李承信のライバル関係「いつか日本代表でW杯に」
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuhiko Otomo
posted2021/12/18 11:01
プレシーズンマッチで対戦した李承信(左)とメイン平。若き才能が「リーグワン」で新風を巻き起こす
「スンシンは向こうのBKの要になっていて、ゲームにすごくコミットしてましたね。いいなあと思いました。自分は今日はやりたいことができず、チームとしてもずっとディフェンスしていた感じ。やっとボールが回ってきてもターンオーバーされてしまったり、ボールを持ったときに相手に対して脅威になれていなかった。もっと引っ張っていかないといけなかった」
メインの言葉通り、ラムズは神戸のアタックに守戦一方。メインだけでなく、ラムズがアタックでボールを保持する時間はほとんどなかった。反撃に転じたのは、メインが交代で退いた60分以降だった。
「開幕に向けては、楽しみですけど不安もあります。開幕戦のスタメンを絶対に取りたいという思いは強いですが、このままで取れるとも思ってはいません。もっとアピールしないといけない。試合の流れが難しいときでも、自分の役割を100%果たしていれば流れを変えることができたと思う」
楽しみにしていた李との対戦も、ほろ苦かった。
「今日はポジションも違ったし、マッチアップする場面もほとんどなかった。昨季のトップリーグのときは、時間は短かったけどポジションが近かった(CTBとSO)から面白かったんですが」
勝った神戸の李からは、同じ試合が違って見えていた。
「メインとは久しぶりで楽しみにしていた試合だったし、楽しめました。昨季のトップリーグでは最後の20分もないくらいだったけど、今日は60分くらい一緒にピッチに立てたし、マッチアップもできたし」
同じ試合の受け取り方の違いが面白い。手応え、悔しさ、達成感や自己評価……そんな彼らの思いの積み重ねが、彼らの未来を、そしてラグビーの未来を彩っていく。
若い才能を育む新リーグに
若い2人の前には無限の未来が広がっている。
メインは7月、東京五輪を控えた7人制日本代表の強化練習メンバーに招集された。同じチームでプレーしたセブンズ日本代表最多キャップのレジェンド坂井克行からは「これからの日本を背負える」と太鼓判を押された。
「セブンズは……オフが長かったので、トレーニングするだけじゃなく体を動かせたらいいなと思ったくらいなんですが(笑)。セブンズは好きだし、坂井さんにそう言っていただけたのは嬉しいです。オリンピックにも出てみたい。だけど今は、まず15人制で自分の位置を確立してから、ですね」
李は2年目の今季、神戸の副将に任命された。ラムズとのゲームでも80分間フル出場。ルーキーだった昨季とは違う責任と期待を背負っている。
「1年目は正直、周りがワールドクラスの選手ばかりで、圧倒されてました(苦笑)。大学とはレベルが違いましたし。でも今年はキャンプも重ねて、チームにも一体感が出てきたし、チームの中で自分がやるべきことも見えてきました」
ラムズ戦では果敢なボールキャリーを反復。SOクルーデンとの連携で攻撃の起点になっていた。
「CTBとして立つ深さを変えたり、それをアーロン(・クルーデン)に伝えて、走りやすいようにボールをもらいました。はい、コミュニケーションはよく取れていると思います」
そして、未来へ。
「日本代表でW杯に出たいです。2023年はもちろんですが、2027年も狙っていきたい」
リーグワンは、若い才能をどれだけ育てることができるか。それはトップリーグから再編された価値を計る、ひとつの目安になると思う。