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ラグビー「リーグワン」の新風に? 期待の“2000年代生まれ”BK、メイン平&李承信のライバル関係「いつか日本代表でW杯に」

posted2021/12/18 11:01

 
ラグビー「リーグワン」の新風に? 期待の“2000年代生まれ”BK、メイン平&李承信のライバル関係「いつか日本代表でW杯に」<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

プレシーズンマッチで対戦した李承信(左)とメイン平。若き才能が「リーグワン」で新風を巻き起こす

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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Nobuhiko Otomo

 ラグビートップリーグから再編され、2022年1月に発足する「ジャパンラグビーリーグワン」。開幕まで1カ月を切り、各地で開幕に向けたプレシーズンマッチが行われている。

 12月11日、東京世田谷のリコーグラウンドでは、リコー改めブラックラムズ東京と、神戸製鋼改めコベルコ神戸スティーラーズが対戦していた。

 試合は50-33で神戸が勝った。プレシーズンマッチらしく、互いに積極的にボールを動かし、アタックがディフェンスを上回る展開。前半は神戸が21-7とリード、後半も神戸が先手を取り43-7まで差を広げたが、そこからラムズが逆襲。4連続トライで33-43まで追い上げた。しかし後半のラストプレーで神戸がトライを奪い、50-33と突き放して試合を終えた。

 試合後のピッチでは、両チームの選手たちが話し込む姿があった。その中で、ひときわ親しげに話し込んでいたのが、この日ピッチに立った中で最も若い2人だった。

 神戸のインサイドCTBで先発、80分フル出場した李承信(り・すんしん)は、2001年1月生まれの20歳。ラムズのFBで60分までプレーしたメイン平は2000年9月生まれの21歳。大学でいえば3年生ながら、シニアレベルに飛び込んだ2人は高校から同い年のライバルとして互いを意識しあい、刺激しあってきた仲だった。大卒選手が主流のトップリーグの中で昨季はともに活躍。リーグワンとして再編されたリーグでも、新風を吹かせる存在として期待されている。

帝京大を退学、世界と戦って痛感した差

 11日の試合で存在感を放ったのは李だった。直接得点をあげることこそなかったが、司令塔に入った元オールブラックスSOアーロン・クルーデンからのパスを受けて相手ディフェンスに切り込んでは有効なゲインを勝ち取り、アウトサイドバックスに並ぶランナーたちにパスを送り、神戸のアタックのリズムを作った。

「昨季は、ゲームタイムは少なかったけどトップリーグの公式戦を経験できて、今年はプレシーズンの試合を4~5試合くらい経験できて、周りの声を聞く余裕が出てきました。昨季は試合には出してもらっても緊張して、視野が狭くなっていましたから(笑)」

 李は大阪朝高3年の19年3月、高校日本代表のウェールズ遠征で主将を務めた。帝京大学に進学すると、ルーキーシーズンの対抗戦初戦、成蹊大戦に先発して3T8Cの活躍。いきなりマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。同シーズンは5試合に先発、1試合に途中出場。シーズン後の20年3月には日本代表予備軍ジュニア・ジャパンで共同主将を務め、「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」でトンガ、サモア、フィジーを破り3戦全勝優勝に導いた。そして、2年生のシーズンを迎えようとした矢先の20年9月、李の神戸製鋼入りが発表された。帝京大はすでに退学していた。

「ジュニア・ジャパンで世界と対戦してみて、自分の未熟さを痛感したんです。大学ラグビーも、自分にとっては十分レベルが高かったけど、それ以上に高いレベルに挑戦したい思いが強くなりました」

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