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ラグビー「リーグワン」の新風に? 期待の“2000年代生まれ”BK、メイン平&李承信のライバル関係「いつか日本代表でW杯に」 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2021/12/18 11:01

ラグビー「リーグワン」の新風に? 期待の“2000年代生まれ”BK、メイン平&李承信のライバル関係「いつか日本代表でW杯に」<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

プレシーズンマッチで対戦した李承信(左)とメイン平。若き才能が「リーグワン」で新風を巻き起こす

 当初は20年春からニュージーランド(以下、NZ)へ行くつもりだった。どこのチームに行かせてもらおうか、大学はどうするか、それを考えているうちに世界を新型コロナのパンデミックが襲った。NZへの渡航は叶わなくなった。どうしたらいいだろう……迷っていた李に声をかけたのが、神戸製鋼だった。

 コベルコスティーラーズのチームディレクターは、李がラグビーを始めた兵庫県RSのコーチだった福本正幸さんで、以前から連絡をとりあっていた。高校から大学へ進学する際も相談にのってもらっていた。

「練習に参加させてもらったら、本当にワールドクラスのコーチングスタッフが揃っていて、NZへ行くよりもいいくらい(笑)。ここならNZへ行かなくても自分を成長させることができると思った」

 神戸製鋼の総監督はオールブラックスで監督やアシスタントコーチなどを歴任したウェイン・スミス。選手では、ダン・カーターは退団していたものの、後釜としてオールブラックスで50キャップを誇るクルーデン、84キャップのCTB/FBベン・スミスが加入。FWにも81キャップで世界最優秀選手受賞経験もあるLOブロディ・レタリックがいた。これだけオールブラックスのレジェンドが並ぶクラブチームは、NZへ行ってもなかなか見つかるまい。19歳の秋、李は神戸製鋼コベルコスティーラーズの一員となった。

最年少得点記録も「先発」はなし

 2021年。トップリーグとしてラストシーズンの開幕は、コロナの第3波で延期され、開幕するときには李は20歳を迎えていた。史上6人目となる10代でのトップリーグデビューは幻に終わったが、1カ月延期されたNECとの開幕戦ではリザーブ入りし、途中出場でデビュー。2戦目のキヤノン戦ではゴールキックで初得点を決めた。20歳1カ月15日。これはキックによる得点としてはトップリーグ最年少記録だった。1年目はリーグ戦4試合、プレーオフ1試合、計5試合に途中出場。プレー時間は計73分。1C3Pの9得点という記録が残った。

 しかし、先発でピッチに立つことは叶わなかった。

「ちょっと、悔しさはありましたね」

 そう振り返るのは、同い年のライバルが同じ舞台で先発を続けていたからだ。

 メイン平である。

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