熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
森保ジャパン「W杯予選3位」だと“地獄ルート”確定 プレーオフは南米5位と…コロンビア、ウルグアイなど相手では厳しすぎる
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2021/12/01 11:04
ロシアW杯の日本vsコロンビア。もしアジア最終予選でグループ3位通過になったら、大陸間プレーオフでリマッチ、という可能性がある
〇 1974年大会:チリ 2-0 ソ連(1勝1分)
● 1978年大会:ボリビア 2-9 ハンガリー(2敗)
〇 1990年大会:コロンビア 1-0 イスラエル(1勝1分)
〇 1994年大会:アルゼンチン 2-1 オーストラリア(1勝1分)
〇 2002年大会:ウルグアイ 3-1 オーストラリア(1勝1敗)
● 2006年大会:ウルグアイ 1-1(PK2-4) オーストラリア(1勝1敗)
〇 2010年大会:ウルグアイ 2-1 コスタリカ(1勝1分)
〇 2014年大会:ウルグアイ 5-0 ヨルダン(1勝1分)
〇 2018年大会:ペルー 2-0 ニュージーランド(1勝1分)
7勝2敗で、勝率は78%。アジアの完全な裏返しで、圧倒的に強い。
勝率で見ると南米はやっぱり圧倒的に……
ちなみに、北中米は2勝3敗で勝率は40%。オセアニアは、オーストラリアを除くと1勝4敗で、勝率は20%。欧州勢は3勝1敗で、勝率は75%(2006年大会以降は不参加)。アフリカ勢は、過去、一度も参加していない。
もし各大陸の実力が伯仲していたら、大陸間プレーオフの成績はもっと拮抗しているはず。なぜこれほど差があるかといえば、各大陸の実力に大きな差があり、にもかかわらずFIFAが各大陸への出場枠を是正せず、不適切なまま放置しているからだろう。
11月11日の「『日本はW杯に出て当然』の認識は正しいのか… 恵まれすぎな《アジア4.5枠》と、本大会での“残酷なまでの各大陸の実績格差」の記事で示したが、1998年以降の6大会における大陸別のグループステージ(GS)突破率は以下となっている(便宜上、アジアとオセアニアを統合)。
南米:73%
欧州:62%
北中米:50%
アジア・オセアニア:22%
アフリカ:19%
この力関係が、大陸間プレーオフの勝率にそのまま反映されている。
アルゼンチンやウルグアイ相手は“反則レベル”
プレーオフに参加する各大陸の実力は南米、北中米、アジア・オセアニアの順。アジアにとって対戦相手として最も望ましいのはオセアニアで、次が北中米。南米は最悪のオプションだった。
過去、オーストラリアを含むアジア勢が南米勢と対戦したことは4度ある。
● 1994年大会:オーストラリア 1-2 アルゼンチン(1分1敗)
● 2002年大会:オーストラリア 1-3 ウルグアイ(1勝1敗)
〇 2006年大会:オーストラリア 1-1(PK4-2) ウルグアイ
● 2014年大会:ヨルダン 0-5 ウルグアイ(1分1敗)
1勝3敗。この舞台に世界的な強豪であるアルゼンチンやウルグアイが出てくるのは、アジアの国にとっては“反則”に等しいのではないか。