熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
森保ジャパン「W杯予選3位」だと“地獄ルート”確定 プレーオフは南米5位と…コロンビア、ウルグアイなど相手では厳しすぎる
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2021/12/01 11:04
ロシアW杯の日本vsコロンビア。もしアジア最終予選でグループ3位通過になったら、大陸間プレーオフでリマッチ、という可能性がある
ヨルダンはスアレス&カバーニ相手に……
2014年大会予選ではヨルダンがアジア5位となり、W杯初出場を夢見てウルグアイと対戦した。ウルグアイは、南米4位のエクアドルと勝ち点で並んだが得失点差で劣り、大陸間プレーオフに回った。
とはいえ、ルイス・スアレス(当時リバプール)、エディンソン・カバーニ(当時ナポリ)の超強力2トップを擁し、ディエゴ・フォルラン(当時インテルナシオナル=ブラジル)がベンチに控える豪華メンバー。ヨルダンは、アンマンで行なわれた第1レグで0-5と大敗を喫して万事休す。ウルグアイは、ホームで余裕たっぷりに引き分けて勝ち上がった。
2022年W杯予選のアジア5位は、現時点ではB組3位のオーストラリアとA組3位のUAEの勝者だ。しかし11月シリーズを終えた段階で、日本はオーストラリアを勝ち点1上回るだけのB組2位で、今後の結果次第では3位に転落する可能性がある。
一方、南米5位は全18節中14節を終えた現時点ではペルー。だが3位エクアドルはペルーを勝ち点6上回るだけ、9位パラグアイはペルーに勝ち点4劣るだけで、7カ国に5位の可能性がある。
ボリビア、ペルー、パラグアイ以外だと苦戦必至
このうち、アジア5位が互角以上に戦えそうな相手はボリビアくらい。ボリビアは選手の技術レベルこそまずまずだが、フィジカル能力が物足りない。標高3640mの高地ラパスで行なうホームゲームでは滅法強いが、平地でのアウェーゲームでは2分5敗だ。
この他、アジア5位が互角に近い戦いができそうなのはペルーとパラグアイくらいか。コロンビア、ウルグアイ、チリ、エクアドルは世界トップかそれに近い個人能力を備えた選手を揃えており、プレーの強度も高い。アジアの国が勝つのは極めて困難だろう。
ただし、今回に限ってはアジア勢にもかすかな光明がある。これまではホーム&アウェーで行なわれたが、今回は第三国、それも南米から遠い中東カタールでの一発勝負であることだ。
南米諸国は、ベネズエラを除くとどこもフットボールが国技。ホームでの代表戦はスタンドが超満員となり、殺気に満ちた雰囲気の中で行なわれる。このような状況でアジアの国が勝ち点をもぎ取るのは至難の業で、大敗を喫してもおかしくない。非常に不利なアウェーゲームを回避できるのは不幸中の幸いだ。
とはいえ、B組3位になってA組3位を倒し、さらに南米5位を下すのは、B組2位以内に入るよりはるかに困難だ。日本は、「B2位以内に入らなければW杯出場はない」という覚悟でアジア最終予選の残り4試合に死力を尽くすべきだろう。
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