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「厚底シューズは“諸刃の剣”なんです」箱根駅伝有力校のエースが次々に故障のナゾ…選手を襲う“意外な落とし穴”
posted2021/11/21 17:02
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph by
Nanae Suzuki
今年の全日本大学駅伝は駒大が史上最少タイム差となる「8秒差」で青学大を退け、連覇を達成。首位が6回も入れ替わる激戦は見応え十分だった。一方で、今回ほど主力選手の“不在”が目立った学生駅伝は記憶にない。
箱根有力校のエース選手が次々と故障「一体、なぜ?」
優勝した駒大は日本選手権10000m3位の鈴木芽吹(2年)、関東インカレの2部10000mと同5000mで日本人トップに輝いた唐澤拓海(2年)、9月の日本インカレ5000mで2位に入った篠原倖太朗(1年)を起用できなかった。
2位の青学大は出雲駅伝のアンカーで活躍した横田俊吾(3年)、関東インカレの2部ハーフマラソンを制した西久保遼(3年)がメンバー漏れ。3位の順大も前回7区を務めた吉岡智輝(4年)が日本インカレ10000mで8位に入りながら、故障の影響で外れている。
5区で首位に立った早大は10000m27分台の太田直希(4年)と主将・千明龍之佑(4年)の不在が響き、6位に終わった。他にも東海大・石原翔太郎(2年)、日体大・藤本珠輝(3年)、中央学大・小島慎也(3年)というエース級が欠場しているのだ。
これは絶対に何かあるぞ、と筆者は感じていた。具体的には“厚底シューズ”の影響があるのでは? と予想。この疑問を全日本大学駅伝に出場した大学の監督にぶつけてみると、同意見だった。
A監督は、「いや、もう靴でしょうね。それ以外考えられません」と言い切った。
「厚底シューズに頼りすぎる」想定外の落とし穴
「あの靴に頼り切ってしまっているところがあるので、多くの選手がポイント練習で厚底シューズを使いたがるんですよ。練習の質を上げているので、あのシューズでないとついていけないという状況にもなっています。最近はナイキ以外のメーカーも厚底タイプを出していますし、数年前のような大差はありません。いずれにしても、カーボンプレートが入った厚底シューズをほぼ全員の選手が履いているのが故障者続出の理由じゃないでしょうか」
厚底シューズとはナイキが2017年夏から一般発売しているレース用シューズのことだ。