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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「ケンカみたいになっちゃって」元日本ハム・西崎幸広が明かす“やりにくかった監督”とは? 栗山政権は評価も「エースが出てこなかった」
text by
元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph bySankei Shimbun
posted2021/11/16 11:04
10年にわたって日本ハムを率いた栗山英樹前監督。その功績と若手が台頭しなかった理由について、西崎幸広氏に語ってもらった
近年、“エース”が生まれない理由
――栗山監督の10年間に話を戻しましょう。改めて、栗山さんはどんな監督でしたか?
西崎 栗山さんは我が強いところがあって、自分の考えを押し通す強さがありました。ある年、開幕投手が誰かを聞いたときに、まったく教えてくれない。「西崎だったら、誰にする?」と聞かれて、返答に困りました。フタを開けてみたら、まわりの予想とは全然違う投手でした。
プロ野球の開幕投手は、前年の実績、ほかの投手との比較でだいたいわかるもの。投手からすれば、開幕投手に選ばれることはものすごく名誉なことなんですけど、栗山さんは違った見方をしていたようです。エースと呼べる選手が出てこなかったのは、そこに原因があったのかもしれない。
監督として新しいことを取り入れたのは本当に素晴らしい。なかなかできることではありません。ただ問題は、それが選手に理解されたかどうか。後半の5年間は監督の意図がうまく伝わらなかったかもしれませんね。
――若手が台頭すれば、後半5年の結果も違ったかもしれません。
西崎 栗山さんだけの責任ではないと思います。二軍の監督・コーチが選手を育てきれなかった。彼らの悩みを解消できるコーチがいれば、その後が変わったかもしれないですから。(後編へ続く)