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「ケンカみたいになっちゃって」元日本ハム・西崎幸広が明かす“やりにくかった監督”とは? 栗山政権は評価も「エースが出てこなかった」

posted2021/11/16 11:04

 
「ケンカみたいになっちゃって」元日本ハム・西崎幸広が明かす“やりにくかった監督”とは? 栗山政権は評価も「エースが出てこなかった」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

10年にわたって日本ハムを率いた栗山英樹前監督。その功績と若手が台頭しなかった理由について、西崎幸広氏に語ってもらった

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元永知宏

元永知宏Tomohiro Motonaga

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Sankei Shimbun

近年低迷がつづく北海道日本ハムファイターズ。2021年シーズンをもって、栗山英樹監督が退任し、新庄剛志新監督がチームを率いることとなった。そこで、1987年のプロ入り後、5年連続2桁勝利に輝くなど、ファイターズのエースとして活躍した西崎幸広氏に、「栗山監督の10年」と「新庄新監督への期待」について語ってもらった。(全2回の前編/後編へ)

――北海道日本ハムファイターズの新監督が発表されて以降、テレビのスポーツニュースもスポーツ新聞も“新庄剛志”一色になりました。

西崎 中日ドラゴンズの立浪和義新監督も、福岡ソフトバンクホークスの藤本博史新監督もかすんでしまいましたね。

――新庄“ビッグボス”の話をする前に、前任の栗山英樹監督が指揮をとった10年間について振り返っていただきます。

西崎 プロ野球で10年間も監督をするのは本当にすごいこと。栗山さんには「本当におつかれさまでした」と言いたいですね。

 もともとファイターズは、指導者未経験の人を監督にすることはないと言っていたんですが、栗山さんはコーチを経験することなく監督に就任しました。批判的なことを言う人がたくさんいるなかで、自分の意思を貫いたんじゃないかなと思います。

 例えば、大谷翔平が二刀流をするとなったときに、まわりはみんな反対しましたよね。でも、その方針を曲げることなく、投手&打者として使い続けた。それが2021年、メジャーリーグで花開いたわけです。栗山さんの野球界への貢献はすごい。まわりの意見を聞いてしまうと普通は揺らいでしまうものですが、やり切ったことは素晴らしい。

ファイターズは球団主導でコーチ陣を揃える

――栗山監督がファイターズ監督に就任した1年目の12年シーズンでいきなりリーグ優勝。5年目の16年には日本一になりました。17年からはBクラス4回と低迷しましたが、指導者経験がないことを強みにして、さまざまなチャレンジをしたという印象があります。

西崎 本当にそうだと思います。栗山さんは現役引退後にスポーツキャスターとしてメジャーリーグなどの取材もされました。外から学んだことを監督として果敢に試しましたよね。

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