Jをめぐる冒険BACK NUMBER
日本代表の《物足りなさ》に打開策はあるはず 守田英正や田中碧の成功を受けて、三笘薫や前田大然ら“東京世代”に出番を
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJFA/AFLO
posted2021/11/12 17:02
ベトナム戦で出番のなかった三笘薫。前田大然や旗手怜央ら、東京五輪世代のフレッシュな躍動を目にする機会は来るのか
一難去って、また一難――。
だが、アクシデントがチームをさらに成長させるのも間違いない。こうなったら、今回の最終予選では、これでもかというほど困難に見舞われ続け、それを克服しつづけてほしい。そしてW杯本番でどんなアクシデントが起ころうと、動じないメンタリティと対応力を身につけてもらいたい。
“獅子は我が子を千尋の谷に落とす”と言われるが、そんな心境でもある。
果たして守田不在の困難を、チームはどう乗り越えるのか。オマーン戦で注目し、期待したいポイントだ。
三笘や上田、前田に旗手は絶好調だからこそ……
今回、森保一監督は別メニュー中の酒井宏樹を除き、オーストラリア戦と同じ先発メンバーをベトナム戦に送り出したが、実は、メンバー選考に悩んだという。
試合2~3日前にベトナム入りした国内組中心のメンバーか。
前日トレーニングしかしていない欧州組中心のメンバーか。
前者の起用も考えたというが、最終的には後者を選んだ。
「選手たちの顔に疲労感がなかったのが大きかった。機内に長時間閉じ込められていたが、睡眠や休養をとったり、試合に向けたコミュニケーションをしっかりとってくれていた。それから選手を変えた場合、トレーニング、ミーティングを含めて限られた時間で“画”を揃えるのは、本当に難しい作業だと感じた」
たしかに新メンバーを加えて連係をすり合わせる時間はないから、その判断は理解できなくもない。しかし、三笘薫、上田綺世、前田大然、旗手怜央らは東京五輪代表メンバーだから、連係がゼロというわけではない。ましてや今、所属クラブで絶好調だからこそ、招集したはずなのだ。
フレッシュなメンバーがもたらす刺激がチームにとってどれだけ効果的かは、守田や田中が証明している。新陳代謝を怠れば、組織はすぐに停滞に陥ってしまう。
次なる相手は初戦で敗れた因縁のオマーン。敵地でのゲームで簡単ではないが、今予選3連勝、そして日本代表チームとしてブレイクスルーを果たすためにも、コンディションと勢いを重視したメンバー選考にチャレンジしてもらいたい。
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