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【最終予選5試合で4得点】安定感と単調さが同居した日本代表… 森保監督は「有効な4枚のカード」を使いこなせるのか

posted2021/11/12 17:03

 
【最終予選5試合で4得点】安定感と単調さが同居した日本代表… 森保監督は「有効な4枚のカード」を使いこなせるのか<Number Web> photograph by JFA

決して会心の勝利とは言えないものの、「アウェイでの勝ち点3」という最低限の結果に安堵の表情を見せる日本代表

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 難しい試合だったのは間違いない。

 11月11日に行なわれたカタールW杯アジア最終予選のベトナム戦に、日本代表はほとんどぶっつけ本番で臨むことになった。そもそも準備期間が短いうえに、移動や時差があるアウェイでの一戦である。28人の選手は3つのグループに分かれて現地入りしたが、11人の海外組の到着が大幅に遅れた。その結果、チーム全体の練習が前日しかできなかったのである。

 ここまで2勝2敗の日本は、グループ首位のサウジアラビアに勝ち点6差、同2位のオーストラリアに勝ち点3差をつけられている。勝ち点で並ぶオマーンには総得点で劣っており、グループ4位でこの試合を迎えた。

 もはや1敗もできない一戦に、森保一監督は4-3-3で臨む。10月のオーストラリア戦と同じシステムで、スタメンもほぼ同じである。コンディションが万全ではない酒井宏樹に代わって、山根視来が右サイドバックで起用されたのが唯一の変更だった。

 27歳の山根は最終予選初出場だが、所属する川崎フロンターレは4-3-3を採用している。システムの特性は身体に染みついており、右インサイドハーフは5月までチームメイトだった田中碧だ。右サイドバックには山根より国際経験のある室屋成も控えていたが、山根が先発に指名された理由は明確だったと言える。

伊東のスーパーゴールは幻に

 ベトナム戦のポイントは先制点にあった。相手は5-3-2のブロックを敷いてくるが、ビハインドを背負えば前に出てこざるを得ない。カウンターからも得点を狙うことができる。

 果たして、17分に先行した。大迫勇也のポストプレーから南野拓実が左サイドを突き、GKとDFラインの間にグラウンダーのクロスを通す。ファーポスト際に詰めた伊東純也がプッシュした。

 40分には伊東が「個の力」を爆発させる。相手CKのカウンターからクリアボールを受けて、左サイドからドリブルで持ち込む。カットインしてペナルティエリア内から右足を振り抜くと、強烈な一撃が左上へ突き刺さった。スーパーゴールが決まった。

 ところが、VARのチェックで取り消されてしまう。シュートシーンで伊東の前にいた田中碧が、オフサイドポジションにいたとの判定が下された。

【次ページ】 安定感と変化の乏しさはトレードオフ?

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