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今年のJ1残留争いは“4チームが降格”…下位6チーム「ラスト5試合でどこが生き残るのか?」見極める4つのポイント
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2021/11/01 17:02
今年は4チームが降格と厳しい残留争い。残り5試合でどこがJ1に生き残るのか?
タフなラスト3試合を残す《16位・湘南ベルマーレ》
16位の湘南は、残留争いの“キャスティングボート”を握っている。というのも残り5試合の対戦相手が札幌、広島、そして仙台、徳島、ガンバ大阪で、残留を争うチームと最後3試合連続で戦うスケジュールになっているからだ。ラスト3の時点でどう順位が動いているか分からないが、今のところ眼下の敵である仙台、徳島には負けるわけにいかず、相手も決死の覚悟で臨んでくるだろう。
タフなラスト3になるが、幸いチーム状態は良い。9月に山口智が監督に就任して以降は2分3敗と結果が出ていなかったが、前節の横浜FC戦で初勝利。残留争いで負けられない相手に勝って勝ち点3を得たのは非常に大きい。
ただ、前節は勝てたが、川崎戦やマリノス戦では、いいサッカーを展開するもチャンスを決められず、後半に失点して敗れてしまった。「決定力のあるFW」の必要性も感じたが、夏の補強は鹿島から獲得した杉岡大暉だけだ。前線はマッチングに苦労しているが、今後も試行錯誤しながら戦いを続けていくことになる。33得点、39失点で得失点差マイナス6は、降格するチームの数字ではない。選手と監督の信頼は分厚く、初勝利で選手は自信を回復しただろう。ここから勢いに乗れるかどうか。
中堅チーム相手に勝ち切れるか?《17位・徳島ヴォルティス》
17位の徳島は、得点力をさらに高めるために、ガンバ大阪からFWの一美和成、ノルウェーからムシャガ・バケンガを獲得したが、ともに1ゴールずつと十分な結果を出せていない。得点は29点、失点は49点と多く、9月から敗れた試合は3点以上取られており、失点をした後の集中力が課題になっている。
前々節は、残留を争う横浜FCに敗れ、前節は大分との6ポイントマッチになったがホームで勝ち切れず、降格圏に陥落した。大事な試合に勝ち切れなかったことを引きずらずに、気持ちを切り替えて次に臨めるかどうか。残り試合の対戦相手は、セレッソ大阪、神戸、FC東京、湘南、広島だ。ACLを狙う神戸、残留争いをしている湘南との試合は残っているが、あとは中堅チームになる。徳島にとってはセレッソ戦などとの3試合がむしろ肝で、そこでしっかり勝つことができれば、残留の光が見えてくるだろう。
アウェイの3試合をどう凌ぐ《18位・大分トリニータ》
18位の大分は、9月から3勝2分1敗と、残留争いをしているチームの中では、もっとも戦績が良い。内容もよく、6試合で6得点、2失点と手堅いゲーム運びができている。