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今年のJ1残留争いは“4チームが降格”…下位6チーム「ラスト5試合でどこが生き残るのか?」見極める4つのポイント
posted2021/11/01 17:02
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
J1リーグは、5試合を残すのみになった。
優勝争いは、川崎フロンターレが2位の横浜F・マリノスとの勝ち点差を12に広げ、次節にも結果次第で優勝が決まりそうだ。
その一方で、熱く、激しい戦いになっているのが、残留争いだ。20位の横浜FCから15位の清水エスパルスまで勝ち点はわずか7差。予断を許さない戦いが続いている。
残り5試合、どこが生き残るのか。残留のポイントとなる条件は、4つある。
「どこがJ1残留を決めるか?」4つのポイント
1つ目は、選手の補強だ。7月から8月にかけての東京五輪期間の中断前後、チームが強化のために獲得した選手が、今どのくらいチームに貢献できているか。そこにはクラブの残留への意欲、そして巻き返すための姿勢が見えてくる。
2つ目は、得点力だ。負けないために守備を整備し、失点を抑えるのは必要だが、この時期になると負けないよりも勝たなければならない。ドローではなく、勝ち点3が必要になる。そのために必要なのは得点だ。秋の陣に入った9月からどのくらい点が取れているか、どんなスコアで勝っているかは大事なポイントになる。
3つ目は、現時点のチームの勢いだ。連勝しているか、あるいは戦い方にブレがなく、チーム全体が一枚岩になっているかどうか。
4つ目は、残り5試合の対戦相手である。一番苦しいのは、残留争い組、そして優勝、あるいはACL圏内を目指すチームとの戦いがつづくことだろう。
以上のポイントを考えながら残留争いを展開するチームの現状と生き残りの可能性を探っていきたい。
残り5試合をどう戦うか?《15位・清水エスパルス》
清水は、降格圏の17位の徳島と勝ち点2差の15位で、なんとか残留圏内を維持している。
補強は積極的に動いた。7月に中盤のテコ入れを断行。鳥栖から松岡大起、CRフラメンゴからホナウドを獲得し、その2選手がスタメンでプレーしている。さらに神戸から藤本憲明、チューリッヒを退団したベンジャミン・コロリを獲得したが、得点は藤本の1点のみで、いまひとつゴールに絡めていない。総得点は現在31点で、残留争いをしている6チームの中では湘南に次いで2番目だが、9月からは2勝4敗、5得点。前節は川崎に敗れ、柏戦に続いて完封負けした。
残り5試合で、残留争い組・上位陣との対戦は浦和のみ。モチベーションの維持が難しい広島など中堅チームとの試合がつづくことになる。ただ、札幌やセレッソ大阪など曲者との対戦も残っており、そこをどう乗り切れるか。カード的には残留争いをしている他のチームよりは優位だが、次のFC東京戦で連敗を止めなければズルズルと負け続けてしまう可能性も出てくる。清水にとっては、次が山場になりそうだ。