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《箱根駅伝予選会》「パチンコを週1にしてくれ」「青学大の原先生にも押しかけて…」から始まった駿河台大の躍進<明治、中央も強い>
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byYuki Suenaga
posted2021/10/26 11:02
箱根駅伝予選会にて、初の本戦出場を決め喜ぶ駿河台大学のチームメンバーら
2位の中央大も“層の厚さ”を見せつけた
強さという点では、2位に入った中央大も印象深かった。
2年生エースの吉居大和が1時間2分51秒の好タイムで全体13位と好走。吉居を含む8名が1時間3分台以内でゴールしており、層の厚さを見せつけた。
藤原正和監督は「わりと余力を持って終われた」と納得の表情。吉居の復活と、1年生の阿部陽樹、東海林宏一の台頭を収穫のひとつに挙げた。理想のチームに向けては「まだ6合目、7合目辺り」と言いつつも、「ここからさらに成長してくれると思いますので、箱根が楽しみ」と自信をのぞかせる。
両校は11月の全日本大学駅伝にも出場するだけに、そこでどれだけの上積みができるかにも注目したい。
終わってみれば波乱は少なく、箱根の常連校はみなその実力をしっかりと示した。3位以下の通過校は以下の通りだが、この中では8年連続で本戦出場中だった拓殖大の予選落ちが目を引く。9月に10000mで27分25秒65の日本学生新記録を打ち立てたジョセフ・ラジニ(3年)を擁しながら、上位10名の中に6分台の選手が2人入るなどチームの底上げがうまくいかなかった印象である。
3位日体大
4位山梨学院大
5位神奈川大
6位法政大
7位中央学院大
8位駿河台大
9位専修大
10位国士舘大
――予選通過ラインーー
11位拓殖大
12位大東文化大
「パチンコを週1にしてくれないか」から始まった駿河台大
もう一校、特筆すべきは史上44校目となる箱根駅伝初出場を決めた駿河台大の躍進だろう。
15km通過時点ではボーダーラインの10位だったが、18km地点では9位に順位を上げ、最後は8位でフィニッシュ。疲れの出る終盤で順位を上げたのは、地道な脚作りを丁寧に磨いてきたことの証しである。
4位に入り、2年連続35回目の本戦出場を決めた山梨学院大の飯島理彰駅伝監督は、こう言って新たなライバルの健闘を称えた。
「あれは徳本監督の手腕だね。まさにうちの上田(誠仁)総監督の黎明期。これから強くなると思うよ」