オリンピックへの道BACK NUMBER
「メディア出演より休養すれば」の批判にウルフ・アロンはどう答えた? 馬瓜エブリンに水谷&張本…“五輪TVスター”の意外と知らない現在
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJMPA
posted2021/10/12 17:00
東京五輪でメダルを獲得し、連日テレビにも引っ張りだことなっているウルフ・アロン(左)と馬瓜エブリン
「今がチャンス」メディアに出続けるウルフ
「今がチャンス。ウルフ・アロンを知ってもらうことで、柔道ファンが増えれば」
東京五輪の柔道日本代表選手たちの記者会見でも、柔道をもっと広めたいという趣旨の話をしていたように、かねてから柔道を普及させたいという意思の強い選手だ。金メダリストとなり、メディアに出ることはその機会になると考えていることが分かる。
先にも触れたように、五輪競技の多くは、オリンピックで注目を集める一方で、ふだんはそこまで見てもらえない現状がある。オリンピックの活躍を契機にもっと競技を知ってほしい、と考えるのはウルフだけではない。自身が打ち込んできた競技だからこそ、愛着もある。
何年もかけて目指してきた大舞台を終えて練習から距離を置き、ひと息入れたいと考えるのも自然だし、活躍したことで注目される機会を得て、そこで競技の認知度向上につなげたいと考えるのも理解するのは難しくない。たいていの選手は、次の大きな目標から逆算してどう過ごしていけばいいか計算できるし、どのタイミングで本格的に練習を再開すればいいかも考えつつ、活動してもいる。
自身の競技生活を把握したうえで、一度ついた熱をどう今後につなげていくか、それを意識する姿には、トップアスリートとしての自覚がある。
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