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《世界史と数学が好き》19歳藤井聡太三冠が明かす“苦手だった科目”は?「英語は苦手でした」「美術も嫌いでした」 

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丹羽宇一郎 藤井聡太

丹羽宇一郎 藤井聡太Uichiro Niwa Sota Fujii

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posted2021/09/18 17:05

《世界史と数学が好き》19歳藤井聡太三冠が明かす“苦手だった科目”は?「英語は苦手でした」「美術も嫌いでした」<Number Web> photograph by KYODO

9月13日に叡王を獲得し、史上最年少三冠になった藤井聡太氏。写真は昨年の王位就位式

藤井 朝は7時前くらいに起きて、朝ごはんを食べて……通学時間は電車で片道50分でした。8時から15時くらいが学校でした。

丹羽 高校生活では、どこに重きを置いていたんですか?

藤井 将棋だけだと、やはりどこかで行き詰まってしまうことがあるかもしれないので、そういったときのために視野を広げることができたらいいなと思っていました。

 中学までは義務教育でしたけど、高校からは違うので、学校に行くことの意味というか、意義を考えながら通っていました。なんとなく行っていたのでは、学校生活が無駄になってしまうといいますか、意味の薄いものになってしまうからです。

「高校受験より中学受験のほうがいいな」

丹羽 藤井さんが通っていたのは、中高一貫校だったんでしょう?

藤井 はい。

丹羽 受験をしたんですか?

藤井 そうです。小学生の頃から奨励会に通っていたので、三段リーグのタイミングなどを考えると、高校受験をするよりは中学受験をしたほうがいいなと思い、かなり直前になってから受験することを決めました。

丹羽 どのくらいの期間、受験勉強をしましたか?

藤井 2カ月くらいと、期間は短かったです。国立の中学校なので、入試はいわゆる学力試験ではなく、「検査」というものでした。グループ・ディスカッションをしたり、グラフを読み解いて文章を書いたりしました。選考基準もとくに公開されているわけでもなかったので、運も大きいのかなと思い、自分なりに準備をしてみた程度でした。

丹羽 その頃から、集中力のレベルはすごく高かったんじゃないですか? 棋士になるために常に先を読む訓練をしていましたし、タイムマネジメントも必要ですよね。受験で役立ったことはあったんじゃないですか? 小学6年生の「詰将棋解答選手権 チャンピオン戦」の自戦記を読むと、問題をざっと見て感触を確認するとか、10分間で解けなかったらいったんあきらめて次の問題へ行こうとか、すべて解答を終えて時間があるから気になっていた問題を見直そうとか、試験中の高校生のようです。

藤井 どうでしょう。とくに当時は将棋でも、あまり残り時間を気にしないタイプだったので、時間配分について考えるようになったのは、棋士になってからではあるんですけど……。ただタイムリミットがある状況で考える経験が、普通の子よりは多く、受験でも多少は活きたところがあるかもしれません。

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