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《世界史と数学が好き》19歳藤井聡太三冠が明かす“苦手だった科目”は?「英語は苦手でした」「美術も嫌いでした」
posted2021/09/18 17:05
text by
丹羽宇一郎 藤井聡太Uichiro Niwa Sota Fujii
photograph by
KYODO
ここでは藤井聡太三冠、初の対談本『考えて、考えて、考える』(講談社)の一部を抜粋し、同氏ならではの将棋観を紹介していく。対談相手は伊藤忠商事で社長、会長を務めた名経営者・丹羽宇一郎氏。「高校では世界史と数学が好きだった」と話す藤井三冠に、丹羽氏がさらに突っ込んで話を聞いていく(全2回の1回目/後編へ続く)。
「英語は苦手でした」「美術も嫌いでした」
丹羽宇一郎氏 学校で、苦手な科目や嫌いな科目はなんだったんですか?
藤井聡太三冠 英語は苦手でした。羽生先生は、チェスの世界大会に出場したときに欧米のトッププレーヤーたちと意見交換をするため、英語を勉強されていたそうなんです。将棋連盟でも、将棋の普及を兼ねて、竜王戦を中心に海外でのタイトル戦をしていたこともあるので、苦手とばかり言っていてはいけないなと思いますが……。
丹羽 ピアノを少し習ってやめたということですけど、音楽は得意でした?
藤井 いえ、音楽に関しては、素養はまったくないんです。
丹羽 音楽と数学には共通点もあるといわれています。クラシック音楽は論理的だし、和音や音符なども、数学的でしょう。
藤井 母が言うには、四分音符、八分音符、十六分音符といった音符を、見たり書いたりするのは好きだったそうなんですが、自分ではまったく覚えていないんです。
芸術分野は、自分にはあまり縁はないかなと思っていまして、美術も嫌いでした。
丹羽 美術のどういうところが嫌いなの?
藤井 技術的に下手だというのも大きいんですけれども、芸術は本来、何か表現したいものがあって、それを形にするものだと思うんです。自分には何かを描こうとか作りたいとか、そういうインスピレーションがまったく湧いてきませんでした。学校の宿題で、美術館や博物館に行くのも、本当に気乗りしなかったです。
丹羽 棋士の皆さん、そんな感じなのかな?
藤井 いえいえ、音楽に造詣が深い方や、美術が好きな方もたくさんいらっしゃるので、自分がたまたま芸術系が苦手というだけだと思います。
丹羽 塾とか、そろばんとか、書道とか、そういった習い事はやったことはあるんですか?