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《世界史と数学が好き》19歳藤井聡太三冠が明かす“苦手だった科目”は?「英語は苦手でした」「美術も嫌いでした」
text by
丹羽宇一郎 藤井聡太Uichiro Niwa Sota Fujii
photograph byKYODO
posted2021/09/18 17:05
9月13日に叡王を獲得し、史上最年少三冠になった藤井聡太氏。写真は昨年の王位就位式
藤井 いえ、習い事はほとんどしたことがありません。
丹羽 棋士になると、毛筆で署名したり、揮毫(きごう=座右の銘や好きな言葉を書くこと)したりする機会が多いんじゃないですか。藤井さんもけっこういい字を書いているでしょう。
藤井 いえいえ。棋士として毛筆で書く機会はたくさんありますし、「将棋連盟書道部」もあるほどなので、本当はもう少ししっかり習わなければいけないとは思っているんですけど、なかなかできていません……。
丹羽 書道も、すごいねといわれるほどの字を書けるようになるには、基礎を相当やらないといけないよね。なかなかそこまで習う時間はないでしょうね。
藤井 はい。
『宿題なんてやる必要があるのか』
丹羽 先ほどの美術の話で、藤井さんは納得できないことはやりたくないというタイプなのかなと思いましたけど、どうですか?
藤井 そうですね。中学生のとき、「宿題なんてやる必要があるのか」と先生に質問して、困らせてしまったことはありました……。自分としては、帰宅後に将棋の研究をしたいというのもあり、授業に集中して内容をきちんと理解していれば、宿題は必要ないのではと思ったんです。
丹羽 筋は通っているよね(笑)。先生はどう答えたんですか?
藤井 宿題は授業でやったことを定着させるためのものだ、という答えでした。それで納得しまして、その後は宿題もちゃんと提出するようになりました。
丹羽 なぜやるべきなのか、疑問を持つこと、それをはっきりと相手に問えるということは、素晴らしいね。
藤井さんは国立名古屋大学教育学部附属高校に(2021年1月まで)通っていましたよね。僕も名古屋大学卒だし、名古屋大学の経営委員もしていたので、広い意味で先輩ですね。学生生活と、棋士としての生活との両立は、やはり大変だったんですか?
藤井 中学1年生の秋に三段となり、プロの一歩手前のところまで上がると、なんというか、浮き足立ってしまいました。その頃から、勉強は学校の授業で集中するようにして、家では日曜であろうと試験前であろうと、なるべく勉強をしないようにしていました。
丹羽 成績はどうだったんですか?