熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジルはネイマール、ペレがいても11人制が“最弱”、ブラインドサッカーこそ“最強”!? パラ4連覇など無敵の歴史〈日本も健闘5位〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byYohei Osada/AFLO
posted2021/09/04 11:01
東京パラリンピックでの日本vsブラジル。まるで“見えている”かのようなプレーの数々に驚愕した人も多いだろう
1997年に初めての国際大会が開催
当時、視覚障害者のフットボールは、南米ではブラジル、欧州ではスペインが盛んだった。1989年、両国の関係者が集まり、現在のような国際ルールを定めた。この年、ベネズエラで開催された国際大会に出場するため、ブラジル代表が初めて編成された。
1997年、第1回の南米選手権がパラグアイで行なわれ、ブラジルが決勝でアルゼンチンを下して初代南米王者となった。そして1998年、ブラジルで初の世界選手権が開催され、6カ国が参加。決勝でブラジルがアルゼンチンを1-0で倒して世界王者となった。3位はスペインだった。2000年にはスペインで第2回世界選手権が行なわれ、8カ国が参加。決勝でブラジルがアルゼンチンに4-0で勝利した。
ブラインドサッカーは、2004年のパラリンピック・アテネ大会で初めて正式競技として採用された。南米からブラジルとアルゼンチン、欧州からスペイン、フランス、ギリシャ、アジアから韓国の6カ国が参加した。1次リーグで総当たりで対戦し、2位までを占めたブラジルとアルゼンチンが決勝で対戦。規定の40分間は0-0で、PK戦でブラジルが3-2で勝って金メダルを獲得した。
なおこの大会にGKとして出場したファビオ・バスコンセーロスが、東京大会でブラジルの監督を務めている。また、この大会に出場したDFダミアン・ラモスは2008年、2016年の大会にも出場して3つの金メダルを獲得。46歳の現在、自身4度目となる2020年東京大会に出場している。
北京五輪で活躍した18歳は今も健在
2008年北京大会には、南米からブラジルとアルゼンチン、欧州からスペインとイギリス、アジアから中国と韓国の6カ国が参加。1次リーグで、ブラジルは地元中国、アルゼンチンと引き分けて3勝2分。ブラジルと引き分けた以外は全勝した中国が首位だった。決勝では中国が先制したが、ブラジルが2得点をあげて逆転勝ち。連覇を達成した。3位はアルゼンチンだった。
この大会で、当時18歳だったリカルジーニョが初出場し、決勝で同点ゴールをあげた。その後、2012年ロンドン大会、2016年リオ大会にも出場して毎回、金メダルを獲得。32歳となったリカルジーニョだが、東京大会で4度目の出場を果たしている。