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ブラジルはネイマール、ペレがいても11人制が“最弱”、ブラインドサッカーこそ“最強”!? パラ4連覇など無敵の歴史〈日本も健闘5位〉

posted2021/09/04 11:01

 
ブラジルはネイマール、ペレがいても11人制が“最弱”、ブラインドサッカーこそ“最強”!? パラ4連覇など無敵の歴史〈日本も健闘5位〉<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO

東京パラリンピックでの日本vsブラジル。まるで“見えている”かのようなプレーの数々に驚愕した人も多いだろう

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Yohei Osada/AFLO

パラリンピックで注目を集める5人制サッカー(ブラインドサッカー)。日本の健闘とともにブラジルの圧倒的なクオリティにも注目が集まる中、そのブラジルの足跡を振り返りつつ、“レジェンド”に強さの秘訣を聞いた(全2回/レジェンド編も読む)

 8月30日、東京パラリンピックのブラインドサッカー(5人制サッカー)のグループステージ(GS)第2戦で日本と対戦したブラジル選手たちは、目が見えていないとはとても思えないような驚異のプレーを連発した。

 前半5分、エースのリカルジーニョの自陣からのパスを右サイドでメンデスが受けると、ドリブルでマーカーをかわし、全く予備動作のないシュートをファーサイド隅へ叩き込む。その後は、日本が組織的な守備で対抗。前半はこの1失点に抑え、後半に望みをつないだ。

 しかし後半5分、ブラジルが圧巻のプレーで追加点をあげる。日本のゴール前で得たFKが壁に当たって右へ流れ、チアゴ・ダ・シルバ(通称パラナ)がいったん自陣へ戻ってからドリブルを始める。黒田智成をかわすと、佐々木ロベルト泉、田中章仁、川村怜を次々と抜き去り、ファーサイドへ蹴り込んだ。魔法のようなドリブルに、日本はフィールドプレーヤー全員が翻弄された。

ブラジルはブラサカも世界トップレベル

 後半16分には、左サイドからドリブルで右へ流れたリカルジーニョが加点。さらに後半18分、右サイドでFKのチャンスをつかみ、リカルジーニョにボールが渡る。「ブラインドサッカーのメッシ」とも呼ばれるこの背番号10は、いったん自陣へ引くとみせてから戻って佐々木をかわし、右足で強烈なシュート。これが日本選手の間をすり抜けてファーサイドを破った。

 日本は、2015年に高田敏志が監督に就任して以降、強化に励み、急速に力を付けてきた。しかし、ブラジル選手のテクニックと創造性は別次元。放ったシュートは1本で、0-4の完敗を喫した。

 ブラジルは、フットボール王国だ。フットボール(11人制)、フットサル、ビーチサッカー、そしてブラインドサッカーと、足でボールを扱う競技ではすべて世界のトップレベルにある。

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