JリーグPRESSBACK NUMBER
「寝ようとしても眠れず、時計を見ると朝4時」市川大祐“18歳のオーバートレーニング症候群”と気づいた恩師の過去とは
posted2021/08/27 17:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
JFA/AFLO
2019年にサッカー元スペイン代表で現在Jリーグのヴィッセル神戸でプレーするアンドレス・イニエスタが2度、欝にかかっていたことを告白し話題となった。また、今年6月にはプロテニスプレーヤーの大坂なおみも、うつ症状に悩まされていることを公表し、注目された。
直近では東京オリンピックに出場したアメリカの体操選手、シモーネ・バイルズが自身の精神状態を理由に競技を棄権。近年トップアスリートが自身の心の病を公にするケースが増え、同時にアスリートのメンタルヘルスに対する理解も年々少しずつ深まりつつある。
屈強なイメージが強いアスリートも精神面での悩みと無縁ではない。ときには過度なプレッシャーが心に不調をもたらすこともある。
もちろん、“心”だけではない。過剰なトレーニングの繰り返しでパフォーマンスが低下し、“体”にも限界が訪れることもある。
近年では権田、六反もオーバートレーニング症候群に
この言葉を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
オーバートレーニング症候群。
とくに高い負荷がかかるサッカーは消耗が激しいため発症するリスクが高いと言われている。プロサッカー選手に多く見られ、近年では清水エスパルスの権田修一や横浜FCの六反勇治らもこれらの症状に悩まされた。
世間の認知度が一気に上がったのは、17歳で日本代表に選出された市川大祐(現清水エスパルスジュニアユースU-15監督)の存在が大きい。病名も原因も今より理解されていない時代に、彼はその症状と闘っていた。
1998年Jリーグ開幕戦でデビューを果たした清水エスパルスの若き天才は、その活躍が岡田武史の目に留まり、日本代表に抜擢された。