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遠藤航も守田英正も田中碧もいる…柴崎岳に聞く「激戦の日本代表“ボランチ争い”をどう見ているか?」
posted2021/07/04 11:03
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Sports Graphic Number
2018年のロシアワールドカップ以降、柴崎岳は日本代表の中盤の軸としてプレーしてきた。
「実際、一番長くプレーしているし、航とはバランスも取れている」と語る遠藤航と組み、中盤で攻守を引き締めた。
しかし今年に入ってからは3月、6月と代表の活動には参加していない。
スペイン2部は代表週であってもリーグ戦は続き、昇格プレーオフはリーグ戦が終わった後に行われる。クラブと代表のスケジュールが重なることに対する複雑な思いはなかったのだろうか。
「日本代表の試合があった3月はレガネスの昇格をかけた大事な試合が2、3試合あって、6月はプレーオフがあったから、複雑な気持ちはないかな。結果として試合には勝てなかったけど、そこで取りこぼしたくないというチームの思惑もあった。個人的にも、あの3月末は山場だと思っていたし、あそこで勝てていたら昇格争いも違う展開になっていたと今でも思う。あの時はシーズンのチームの戦いに集中していた」
「日本代表のボランチの層は少し薄いなと感じていた」
今年に入り、中盤の柴崎のポジションにも多くの選手が台頭し、今では代表内でも激戦区のひとつになっている。久しぶりに外から見た代表に、どんな印象を抱いたのか。
「ロシアワールドカップ以降、森保(一)監督になってからチームに長く関わっていたひとりとしても、代表の活躍や勝利は心からのぞんでいる。自分がいないことでどうこうと考えることもなかったし、焦りもない。自分がいない代表を気にする部分はなかったかな。
結果や試合は見ていたけど、何よりもあの頃はまだスペインは観客がいなかった。日本代表の親善試合を見て観客が入っていたから羨ましいなと。観客が入ったプレーオフもそうだけど、やっぱりああいう雰囲気でできるのはいい。
日本代表としては難しい2次予選を危なげなく、全員が集中した戦いで勝ち抜けたのはよかった。親善試合も負けなしだったかな。今まで呼ばれていなかった選手や出られなかった選手も出てきてよかったと思う。
少し前まで、日本代表のボランチの層は少し薄いなと感じていた。ボランチはもっと幅広く選手が出てこないといけないと。3月、6月シリーズでそれは解消しつつある。戦力になる選手が増えて、戦術的な幅も含めプレーできる選手が増えた。
ワールドカップでは誰が出てもいい戦いができるように、しっかりと層の厚いメンバーにならないといけない。ボランチという枠組みに関して、期待できるメンバーが揃いつつあるのは嬉しいこと」