サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
遠藤航も守田英正も田中碧もいる…柴崎岳に聞く「激戦の日本代表“ボランチ争い”をどう見ているか?」
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph bySports Graphic Number
posted2021/07/04 11:03
日本代表の中盤の軸としてプレーしてきた柴崎。3月、6月の代表の活動には参加できなかった
守田英正や板倉滉、田中碧など、続々と新たな選手が出てきた
昨秋の代表戦に参加した直後、彼はチームのレベルを上げるためには競争が必要と話していた。それから半年、守田英正や板倉滉、田中碧など、続々と新たな選手が出てくる中で競争は激しくなった。そしてそれは今柴崎の元にも訪れている。
「チーム全体としては競争はもちろん必要。ただ、個人的にはそんなこと(に気持ち)はないというのはあって、自分のプレーを向上させていくことにフォーカスしている。
たとえば同じポジションの選手がいいプレーをしているから自分も頑張らないとな、とはならない。選手を選ぶのは監督。監督がどう評価して起用するかというのは、僕にはコントロールできない部分。自分にできることをやってその結果を待つ。個人としてはそういう考えかな」
「ボランチは年を取れば取るほど成熟していく」
5月に29歳になった。来季はスペインでの6シーズン目を迎える。30代を前に、中盤の選手として成熟していく年齢でもある。
「ボランチは年を取れば取るほど成熟していくもの。経験とメンタル的なところから、試合中の引き出しが多くなってくる。それが一番大きな部分。いろんな試合に対応しないといけないし、よりボールを保持し、肝である中盤で試合を有利に進めていくためには経験値がないといけない。端的に言えば、場数。それが若い頃とは違うし、個人的にも今後よりいい選手になっていきたい。数をこなして引き出しを多くしていくことが、ボランチだけじゃなく中盤の選手として成長していく要因になるんじゃないかな。
代表の中でも、周りからみたら年齢も上の方になった。経験やプラスになるものを周囲に与えられる年齢と見られているかもしれない。ただ、個人的にはそういった立ち位置にとらわれず、自分のやりたいことをプレーで表現するのを忘れずにいきたい。こういう立場だからこう言わないと、こういう選手にならないとではなくて、自分が目指す選手像に近づけるようにプレーしていくのが一番かな」