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「バルセロナは礼を欠いていた」…クーマン監督に戦力外を食らったスアレスがアトレティコで完全復活を遂げた理由とは
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byL’Équipe
posted2021/06/03 17:01
20−21シーズンのスアレスは32試合に出場して21ゴール。得点ランクはメッシ、ベンゼマ、モレノに次いで、リーガ4位だった
スアレス バルサは状況が変わった。クラブが変化を必要とし、僕もそれを認めた。ただひとつ許容できなかったのはそのやり方だった。僕はクラブが最高の結果を得るように、どんなときでも最善を尽くしてきた。6年間バルサでそうあり続け、高いレベルを維持するのは簡単ではなかった。戦力外通告を受けるにしても、それなりの配慮とリスペクトがあって然るべきだった。クラブの決断それ自体は、僕には抗い得ないものだった。もはや期待されていないと感じたが、僕は自分の価値を証明し続けたかった。だからアトレティコというトップクラブに移籍して、今はとても満足している。
多くの人がなぜ移籍したのかと疑問を投げかけるが、当時の僕には明白だった。バルサが僕を追い出した。必要ないとハッキリ宣言された。そこから先は僕自身の決断で、クラブが決めたわけじゃない。契約はまだ何年も残っていたけど、クラブは僕を売りたがった。何があろうと僕に期待することはもう何もないと言われた。敬意を表されて然るべき年齢に僕は達していると思うし、自分が望む決断をする権利が僕にはある。
6年間のバルサでの実績
――アトレティコ・マドリーでの今日の成功は、バルセロナのクラブ首脳たちに彼らの決断が間違いだったと気づかせる機会だと思いますか?
スアレス 本気で僕が怒ったのは、彼らが僕はもう歳を取りすぎて、ビッグクラブで高いレベルのプレーがもはやできなくなったと言ったことだった。本当に頭にきた。僕がバルサのようなクラブで3~4年何もしなかったのであれば、そうした批判も甘んじて受ける。だがどのシーズンも20ゴール以上あげてきた。数字の上では常にレオ(メッシ)に次ぐ高成績だった。
今日、バルサでプレーするのは難しい。クラブと契約を結んだ選手の多くは、期待されたレベルに達してはおらず、移籍を余儀なくされている。僕は6年を過ごしてそれなりのレベルを維持した。期待にも十分に応えられた。
――その間に危機感を抱いたことはありましたか?