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“お祭り男”涙の引退…「最後だから言いますけど」33歳高松卓矢がバレー界、Vリーグへ望むことを熱弁 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2021/04/23 17:00

“お祭り男”涙の引退…「最後だから言いますけど」33歳高松卓矢がバレー界、Vリーグへ望むことを熱弁<Number Web> photograph by WOLFDOGS NAGOYA

前身の豊田合成トレフェルサ時代からチームを牽引してきた高松。同級生・内山とともに引退セレモニーを行った

 Vリーグ機構は、「バレーボールを日本のトップアリーナスポーツへ」「世界一のバレーボールリーグへ」と謳っているが、その発信は弱くほとんど知られていない。

 機構はビジネス化を掲げているが、それはイコールプロ化ではないと言う。日本もプロ選手やプロチームが増えてきたとはいえ、まだ多くの選手は企業を母体とするチームの社員としてプレーしている。WD名古屋の場合は、豊田合成が、WD名古屋を運営するTG SPORTSという別会社を立ち上げ、社員の選手は豊田合成からの出向というかたちでTG SPORTSに所属している。

 高松は、現状のままでは、「選手全員をプロにするのはおそらく無理だと思う」と言う。

「まずお金を稼ぐのが難しいですし、今、日本人のプロ選手がどれぐらい稼いでいるのかもわからない。『この道のプロになったら、これだけの金額を稼げるよ』というのがわかれば、そこに向かって走り出せるけど、先が見えないゴールに向かって全力疾走しようという人は少ないと思うんです。

 例えばBリーグは、千葉ジェッツの富樫勇樹選手が1億円プレーヤーになった。身長が高くなくても頑張って活躍すれば1億円稼げるって、夢を与えますよね。トッププレーヤーの富樫さんで1億円だったら、Bリーグに所属しているレギュラーの選手はこれぐらいもらえるんじゃないか、じゃあバスケットボールやってみようかな、となると思う。そういう数字的に明確なものがバレーボールは出ていない。企業スポーツだったので当然なんですけどね。もし将来的にプロ化を目指すとしたら、選手に支払える金額を大きくしないと難しい。もちろん本当に自信がある人はプロになると思うんですけど、そういう人が増えないと、完全なプロ化はできないと思う。

 代表で活躍したらプラスアルファがあるかもしれませんけど、例えば僕(がプロになったとしたら)で言うと、代表に行ったのは2年だけでしたし、所属チームのレギュラーとして頑張っているだけの僕に出す金額ってそんなに高くないと思うんです。ネームバリューも弱い、実力も弱い。バレー界の中では僕のネームバリューはあるかもしれませんけど、バレー界という枠の外に一歩出たら、僕なんて一般人ですから。まだVリーグの認知度ってそのぐらいのレベルなんです。だからそれほど人が集まらないしお金も集まらない。まずは知ってもらわないと。スタートラインに立てないんですよ」

 高松の話は尽きない。熱い。まだまだ熱い。バレーへの情熱が枯れることはない。

 今後は豊田合成で社業を行うため、バレーから離れるが、いつかまた、バレーボール界に改革者として戻ってきてほしいと願わずにはいられない。

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