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石川祐希の食事やケアを見て「自分は全然足りないなと」 188cmの19歳、高橋藍が今一番欲しているものとは
posted2021/03/29 11:01
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Hiroshi Nakamura
1年前はもう少し華奢な印象もあったが、随分とたくましくなっていた。まだまだ体の線は細くトレーニングは必要だというが、日体大入学時と比較すると体重は10kg以上増えて、82kgに。筋トレなどの成果で筋肉が増え、ボールに伝わるパワーが大きくなった手応えも感じているという。日体大ではルーキーながらもすでに攻守で軸となっており、昨年末の全日本インカレでは準優勝に貢献した。
昨年、春高バレーで強烈な存在感を発揮した日本バレー界期待の新星・高橋藍。チームを優勝へ導くと、大会直後の2月には高校3年生で日本代表候補入りを果たした。
「次のステージ(大学)でもがんばるぞと思っていた矢先に選んでいただいて。もちろん、早く代表で練習したい、海外の選手と対戦したいという気持ちは強かったですけど、高校で日本一になったとはいえ、選ばれた当初は自分がどれくらい通用するのか、不安でしょうがなかったですね」
そんな言葉からは想像もできないほど、代表候補合宿では堂々とプレーし、早くも存在感を示す。昨年8月に行われた紅白戦では持ち味の堅い守備としなやかな攻撃で随所に見せ場を作っていた。
「高さでは足りない部分が大きかったですが、サーブカットやレシーブでは負けていないなと感じることができました。それに紅白戦ではバックアタックやスパイクも通用していた。もちろん、まだまだ満足はできないですけど、“戦えるな”という自信を得ることはできましたね」
石川祐希の姿は大きな刺激だった
とくに評価されているのが日本代表の中垣内祐一監督もチームトップクラスと認めるサーブレシーブ力だ。実は幼い頃は身長が小さかったためレシーバーとしてプレーすることが多く、中学時代にはリベロも務めた。その経験がスパイカー転向後も大きな武器となっている。
「そこは自分の一番の強みですし、レシーブを取った方がいいリズムでスパイクに入ることができるんです」
代表合宿期間中は世界最高峰リーグ、イタリア・セリエAで活躍する日本代表のエース石川祐希の姿から大きな影響を受けた。
「自分にとっては刺激でしかなかったですね。合宿スタート時は石川さんや僕など4人ほどの少人数だったんですが、そのときに間近でプレーを見られることが多くて。プレー1つ1つに余裕があるなと感じましたね。それになによりも本当にバレーボールを楽しんでいるな、と。石川さんのようにこれから経験を積んでいくことで、よりバレーボールの楽しみ方というものもわかっていくのかなと感じられました」