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【国別対抗戦】ペアの三浦璃来&木原龍一組はなぜ劇的に成長できたのか? 見えてきた北京五輪団体戦の表彰台
posted2021/04/21 17:02
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
4月15日から大阪で開催された7回目の国別対抗戦。2009年から開催されてきたこの大会で、今回はロシアが圧巻の強さを示して初優勝を果たし、アメリカが銀、日本はアメリカチームとわずか3ポイント差で、4度目の銅メダルとなった。
元々この国別対抗戦は、2014年ソチオリンピックから始まったフィギュア団体戦の基盤となった。だが国別対抗戦では毎回メダルを獲得してきたチームジャパンが、オリンピックでは2度とも5位。その理由は、国別対抗戦ではシングルは男女とも2人ずつと比重が大きいのに比べ、オリンピックの団体戦は四種目とも比重が同じため。ペアとアイスダンスの強化が最大の課題と、長年言われてきた。
だが今回の国別対抗戦の内容を見ると、北京オリンピックの団体戦で日本がメダルに到達する可能性は、現実的なものになりつつある。
その最大の鍵となっているのは、ペアの三浦璃来&木原龍一の目覚ましい成長だ。
パンデミック中の猛練習で劇的に上達
2人はカナダのトロント近郊で、ブルーノ・マルコットと、彼の妻で平昌オリンピックペア銅メダリストのメーガン・デュハメルの指導を受けている。2020年の春、新型コロナのパンデミックのためカナダがロックダウンに入り、2人は日本への帰国を断念してカナダでトレーニングを続けることを選んだ。
久々の大会となった3月のストックホルム世界選手権では、劇的な上達ぶりを披露してジャッジたちを驚かせ、総合10位で北京オリンピック枠を余裕で勝ち取った。
そして国別対抗戦では、イタリアなど強豪ペアを退けて、SP、フリーともに6組中3位と好成績を上げた。特にフリーでは130.83と世界選手権より10ポイント以上スコアを伸ばし、三浦と木原は喜びを抑えきれずにお互いをハグし合った。