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【どうなる東京五輪】なぜ日本はワクチン接種がG7で圧倒的に最下位なのか…このままなら医療従事者もあと1年以上かかる?
posted2021/04/12 11:00
text by
鳥集徹Toru Toridamari
photograph by
Getty Images
東京オリンピック・パラリンピックの開催(2021年7月23日)まで、あと3カ月余りとなりました。その開催にあたって、気になるのがワクチン接種の状況です。海外からの観客の受け入れは断念されましたが、国内の観客を入れられるかどうかは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えられるかどうかにかかっています。
その切り札として、ワクチンに期待を寄せる人も多いでしょう。果たして、オリンピック・パラリンピック開催までに、ワクチン接種はどこまで進むでしょうか。
厚生労働省のホームページを見ると、医療従事者約370万人に対しては、4月19日までに1回目の接種分の供給が、5月10日までに2回目の接種分の供給が完了する見込みと書かれています。また、高齢者3600万人に対しては、6月末までに2回接種分を配布できる量を供給見込みと書かれています。
この通り進めば、オリンピックの開会式までには、医療従事者、高齢者の多くが2回目の接種まで完了しているはずです。しかし、思惑通りに事が運ぶでしょうか。
医療従事者全員の接種完了まで、あと1年以上かかる?
ワクチン接種は2月17日に医療従事者からスタートしました。厚労省のページでその進捗状況を確認すると、4月9日時点で1回目の接種を終えた人が約110万人、2回目の接種を終えた人が約49万人です(現在、国内で承認されているファイザー製のワクチンは、十分な予防効果を得るには2回接種が必要とされている)。
2月からの約2カ月で、医療従事者で2回目の接種ができた人は、約13%ということになります。このペースで行けば、医療従事者全員の接種が完了するまで約13カ月かかることになるので、ペースが上がらない限り、全員の接種完了にはあと1年以上かかり、来年の5月頃ということになります。