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【ついにバブル崩壊】中国サッカーに“爆買いされた名手”の今 74億円の男オスカルは充実、「グアリン砲」は母国に戻り…
posted2021/03/23 06:00
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
まさにバブルがはじけた瞬間を、我々は目の当たりにしたのである。
中国サッカー・スーパーリーグの2020シーズン王者、江蘇足球(江蘇蘇寧から改名)が先月、活動を停止すると発表した。
オーナーの蘇寧グループがメイン事業以外の閉鎖に前向きになったことで、サッカークラブ事業もそのあおりを受けたようだ。かねてから給与未払いの可能性などが報じられてきた蘇寧グループはクラブの売却先を探しているとされており、ことの次第では王者抜きで2021シーズンを始めることになるかもしれない。
所属している元イタリア代表FWエデルが『東方体育日報』のインタビューで「奴らは皆、嘘つきだ」と不満をぶちまけるなど、主力の大量放出は免れない。既にこの発表に先立ち、クラブを優勝に導いたコスミン・オラロイ監督は、1シーズン分の給与未払いのまま契約解除に至っている。
ちなみにこの蘇寧グループはセリエAインテルのオーナーでもあるのだが、クラブはこの先どうなるのか、売却先の候補、給与の未払いなど、好調なチームを純粋に応援したいファンにとっては目障り耳障りなニュースが連日飛び交っている。
2012年アネルカ、ドログバ、ケイタの爆買いを皮切りに
数年前の中国は間違いなく世界のフットボール界の中心だった。
2012年、ニコラ・アネルカ(1月加入)とディディエ・ドログバ(7月加入)が上海申花に、元バルセロナのセイドゥ・ケイタが大連阿爾濱(現大連人職業)に加入したのを皮切りに、世界中のビッグネーム達が中国に集まった。
なぜ中国に向かうのか? もちろんお金だ。
まるでお金がすべてのようになってしまった昨今のフットボール界。中国のクラブは欧州のビッグクラブに対して果敢にマネーゲームを仕掛け、他のクラブに払えないような移籍金、年俸で名だたるビッグネームを釣りあげてきた。
移籍専門サイト『Transfermarkt』のデータを元に、中国のクラブに加入した選手達を移籍金順にTOP10ランキングにしてみる。(クラブ名は当時)