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【ついにバブル崩壊】中国サッカーに“爆買いされた名手”の今 74億円の男オスカルは充実、「グアリン砲」は母国に戻り… 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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posted2021/03/23 06:00

【ついにバブル崩壊】中国サッカーに“爆買いされた名手”の今 74億円の男オスカルは充実、「グアリン砲」は母国に戻り…<Number Web> photograph by Getty Images

2019年ACLでの1枚。2017年の同大会を含めて、オスカルはたびたび浦和レッズと対戦している

1位オスカル、2位フッキ……では3位以降は誰?

1位:オスカル (チェルシー → 上海上港)
2017年 移籍金:6000万ユーロ
2位:フッキ (ゼニト → 上海上港)
2016年 移籍金:5580万ユーロ
3位:アレックス・テイシェイラ (シャフタール → 江蘇蘇寧)
2016年 移籍金:5000万ユーロ
4位:パウリーニョ (バルセロナ → 広州恒大)
2019年 移籍金:4200万ユーロ
4位:ジャクソン・マルティネス (アトレティコ → 広州恒大)
2016年 移籍金:4200万ユーロ
6位:セドリック・バカンブ (ビジャレアル → 北京国安)
2018年 移籍金:4000万ユーロ
7位:ヤニック・カラスコ (アトレティコ → 大連一方)
2018年 移籍金:3000万ユーロ
8位:アントニー・モデスト (ケルン → 天津天海)
2017年 移籍金:2900万ユーロ
9位:ラミレス (チェルシー → 江蘇蘇寧)
2016年 移籍金:2800万ユーロ
10位:マルコ・アルナウトビッチ (ウェストハム → 上海上港)
2019年 移籍金:2500万ユーロ

 2017年1月、チャイナマネーは欧州列強を震撼させた。アントニオ・コンテの下で出場機会が減っていたとはいえ、チェルシーとブラジル代表で実績十分のオスカルを引き抜いてみせたのだ。

 移籍金6000万ユーロは当時のレートで約74億円。当時25歳でこれからキャリアのピークを迎える選手だったとはいえ、この金額を用意できるクラブはそうそういない。

 当然、中国でオスカルは一頭地を抜いた。上海上港でここまで145試合に出場し45ゴール77アシスト。2018年にはクラブ初のリーグ優勝に貢献している。

オスカル「まだチェルシーには僕の居場所がある」

 2021年1月、英『The Guardian』のインタビューに「今は中国を離れるつもりはない」としつつも「とてもいいプレーをしているし数字もいい。まだチェルシーには僕の居場所があると思っている」とチェルシー復帰に自信を見せた。

 もちろんリーグレベルには格段の差がある。それでも「あり得ない」と鼻で笑うことができないのは前例があるからだ。

カラスコ、ビツェルはヨーロッパ復帰を経験

 24歳で中国に行く選択をしたカラスコは2020年1月に古巣アトレティコにローンで復帰すると、シーズン終了後に完全移籍を果たした。度々「欧州に戻りたい」と後悔の念を滲ませていた一方で、大連一方の2年目に25試合17ゴールと格の違いを見せつけた。

 同じベルギー代表のアクセル・ビツェルも2018W杯ロシア大会終了後、天津権健(天津天海)からドルトムントに移籍。『Goal.com』のインタビューで彼が語るには、娘の病気の際に必要な治療を受けられるまで時間がかかったことが欧州に戻る決め手となったようだ。

 ビツェルは加入後すぐにレギュラーに定着し、カラスコは今季3バックと4バックシステムを併用するチームにとって欠かせない存在になっている。

【次ページ】 バルサでいい仕事ぶりだったパウリーニョはまた中国に

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