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【ついにバブル崩壊】中国サッカーに“爆買いされた名手”の今 74億円の男オスカルは充実、「グアリン砲」は母国に戻り…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/03/23 06:00
2019年ACLでの1枚。2017年の同大会を含めて、オスカルはたびたび浦和レッズと対戦している
バルサでいい仕事ぶりだったパウリーニョはまた中国に
最初の欧州4大リーグ挑戦(トッテナム)が失敗に終わったパウリーニョも、バルセロナで重要な役割を担った。まだ稼ぎ足りなかったのか、なぜかその後中国に戻ったが。
中国を経て欧州のトップクラブに移籍あるいは復帰し活躍する前例があるからこそ、オスカルが描く未来もまた可能性がゼロだとは言い切れないのだ。
ラミレス、フッキ、マスチェラーノは母国復帰組
中国でプレーするトッププレイヤーには、母国復帰という選択肢もあり得る。
2019年にパルメイラスに移籍したラミレス(現在は無所属)や、今年の冬にアトレチコ・ミネイロに加入し、15年半ぶりに母国ブラジルに戻ったフッキなど生まれ育った地でもう一度プレーする選手は多くいる。
リバプールやバルセロナなどで活躍したハビエル・マスチェラーノは35歳を迎えた2020年1月、所属する河北華夏から母国アルゼンチンのエストゥディアンテスに移籍した。彼を北京で口説き落としたのはクラブの会長、フアン・セバスティアン・ベロンだ。盟友の尽力もあって母国復帰を叶えたマスチェラーノは、その年の暮れに現役を引退している。
懐かしの「グアリン砲」もいろいろあった
それまで縁もゆかりもなかった中国の地でキャリアの最後を迎えるより、ひと稼ぎ終えた後は慣れ親しんだ母国のピッチでスパイクを脱ぎたいと思うのは当然のことだろう。
かつてインテルでプレーしたフレディ・グアリンもその1人だ。
ミラノでは青と黒のストライプを身にまとい、長友佑都とともにプレーした元コロンビア代表のMF。日本では「グアリン砲」とも名づけられた強力なミドルシュートを武器に、ヨーロッパの第一線で活躍してきた。
そんな彼がインテルで4年を過ごした後に求めた新天地が上海申花だ。デンバ・バやカルロス・テベスとも共闘した中国では約3年間で100試合に出場し、2017年の国内カップ戦制覇に貢献した。翌年に出場したACLでは鹿島と対戦している。
2019年のシーズン途中にブラジル1部のバスコ・ダ・ガマに移籍。仲の良かった長友に「一緒にプレーしよう」とSNSで呼びかけたり、左ひじにクラブのアイコンのタトゥーを入れるほどの気合いの入れぶりだったが、そのシーズン終了後に降格してしまった。
自身も12試合に出場したがチームを救うことはできなかったグアリンは、翌年9月に健康上の問題を理由にバスコとの契約を解除した。
半年の無所属期間を経て昨年12月、コロンビア1部のミジョナリオスに加入。母国コロンビアでプレーするのはエンビガドでプレーしていた2004年以来17年ぶりのことだ。