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【ついにバブル崩壊】中国サッカーに“爆買いされた名手”の今 74億円の男オスカルは充実、「グアリン砲」は母国に戻り…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/03/23 06:00
2019年ACLでの1枚。2017年の同大会を含めて、オスカルはたびたび浦和レッズと対戦している
今季はここまで6試合に出場しており、インテルやコロンビア代表で培った経験を母国でも活かしている。2月のジュニオール戦での筋肉系の負傷で現在は戦線を離脱しているが、3月9日には自身のInstagramでトレーニング中の筋肉をアピールするなど、34歳となっても筋骨隆々とした肉体と持ち前の明るさは衰え知らずだ。
左ひじに古巣のタトゥーが入ったままだが、その輝かしいキャリアを母国で締めくくろうとしている。
ユートピアが崩壊しつつある中国サッカー
中国のフットボール情勢は2021年を機に大きく変わる。クラブ名やエンブレムから企業スポンサーの要素を排除することが義務付けられた。中国の企業がサッカークラブ事業に大金をつぎ込む流れに規制をかけつつある。
そして王者の解体。見せかけのユートピアは崩壊し、給与未払いお構いなしでスターをかき集めるハリボテのようなクラブは一掃される時代だ。
かつて上海申花と喧嘩別れする形で母国アルゼンチンに帰ったテベスは中国時代を「7カ月間のバカンスだった」と振り返った。こう言われては身も蓋もないが、次第に中国は”稼げる場所”ではなくなってきている。
いつかチェルシーに帰りたいと願うオスカルは、オーナー企業の事情に振り回されるエデルやテイシェイラは、現在中国でプレーするかつてのビッグネームたちは何を思うだろうか。