フランス・フットボール通信BACK NUMBER
メッシ、ロナウドを「僕のテーブルに招待したい(笑)」 レバンドフスキ32歳が見せた静かなる自負とは
text by
ティエリー・マルシャンThierry Marchand
photograph byPierre Lahalle/L’Équipe
posted2021/03/07 17:02
今季のCLでバイエルンは決勝トーナメントに進んでいるが、レバンドフスキは4得点と爆発には至っていない(3月5日時点)
レバンドフスキ あなたがどんな意味で「同じ」という言葉を使っているのかわからないが、僕に言えるのは僕はファンに支えられているということだ。とりわけポーランドのファンにだ。それから僕は自分がプレーしたほとんどの場所で称賛を受けている。ピッチの上だけに限らず私生活においてもだ。それを敬意と呼べるならば、たしかに僕は敬意を払われていると思う。
――ミュンヘンであなたが外出すると、周囲に人だかりはできますか?
レバンドフスキ ミュンヘンの人々は他人を尊重しているから、外出しても騒ぎ立てられることはない。彼らはある国々の人たちのように感情を露わにはしない。ただ、だからといって決して情熱的でないわけじゃない。要は気質の違いで、僕も彼らを尊重している。
「僕も決して悪くはないと思う」
――アントワン・グリーズマンはW杯に優勝した2年前に「僕ならメッシとロナウドと同じテーブルに着ける(ルカ・モドリッチとともに2018年バロンドールの本命に挙げられた自分こそは、ふたりのバロンドール支配の間に割って入れる、の意)」と語っていますがあなたはどうですか?
レバンドフスキ ふたりは頂点のテーブルにずっと前から座り続けている。それだけ比類のない存在で、僕が彼らと同じテーブルに着くことなど想像できない。ただ、今年だけに限らずここ数年の数字を見れば、得点数にしろ他の指標にしろ、僕も決して悪くはないと思う。だからメッシとロナウドのテーブルに同席する代わりに、僕のテーブルに彼らを招待したい(笑)。
――得点はサッカー選手にとってすべてを表していると言えますか?
レバンドフスキ サッカー選手にとってどうかは僕にはわからない。だがアタッカーにとってはゴールが意味するところは大きいし、しばしば敬意と同じ意味を持つ。世間を見渡すと、サッカーを試合の概要と統計の数字だけでしか見ない人がほとんどだ。彼らにとって重要なのは「誰が得点を決めて誰がアシストをしたか」だけだ。狭いものの見方でしかないが、それが現実でもある。
僕にとってはゴールがすべてではない。チームのためにプレーすることこそが重要だ。チームがスムーズに機能するためにコレクティブに融和し、チームメイトを自由にプレーさせるために囮になって走り、相手の注意を引くポジションを取ってフリーなスペースを作りゴールのお膳立てをする。そうしたことも、僕自身がゴールを決めるのと同じぐらい大切なことだ。
――偉大な選手でもチームのために貢献しなければならないということですか?
レバンドフスキ 当然だ。でもそれはチームという有機体のなかで、相互性を保ちながら行なわれねばならない。チームはストライカーのために献身しているのだから、ストライカーもチームに対して同じことをすべきだ。これはエネルギーの問題だ。エネルギーを分けあわなければ、チームは機能しない。ストライカーはチームなしには存在しえないが、チームもストライカーなしでは成り立たないのだから。
――現在のあなたは、世界で最も完璧なストライカーだと思いますか?