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戦力に劣るリーズがなぜプレミア中位に? ビエルサの“独自戦術”を愛弟子が詳細解説【前半戦総括】
 

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赤石晋一郎

赤石晋一郎Shinichiro Akaishi

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posted2021/02/20 11:01

戦力に劣るリーズがなぜプレミア中位に? ビエルサの“独自戦術”を愛弟子が詳細解説【前半戦総括】<Number Web> photograph by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド戦で、厳しい表情で指示を出すビエルサ

 走行距離の多さなどもリーズのチームの特色であるが、意外と思われがちなのがカウンターでの得点5(21節終了時)という数字だ。これはプレミアリーグで1位である。

「21節のレスター戦(3-1でリーズ勝利)で上げたリーズ3得点目のカウンターは、素早いトランジションから、長い距離をダイナミックに走ったもので圧巻でした。自陣での相手フリーキックのこぼれ球を拾いカウンターを発動させたとき、ゴール前にはバンフォード、ハリソン、エルデル・コスタ、アリオスキの4人が並走する形で走り込んでいました。ラストパスを出すタイミングで2~3人の選手が並走することはとても大事で決定機を作るオプションを増やすことになります。たとえリードしていても大人数によるカウンターを仕掛け得点を取りに行く。マルセロの“絶え間ない”攻撃というスタンスはカウンターにも表れているのです」

リーズが空中戦に弱い理由は?

 ビエルサのカウンターの強烈さは、第13節のニューカッスル戦でも見ることが出来た。3-2でリードした後半40分、リーズはカウンターを仕掛けゴール前には6人もの選手が走り込み、スルーパスを受けたアリオスキが得点を奪っている。43分にはカウンターからハリソンが単独ドリブルからミドルシュートを決めたが、このときも3人の選手が彼の周辺を全速力でゴールを目指して駆け上がっていた。

 一方でチャンピオンシップ(イングランド2部)時代から悩まされているのがセットプレーへの対応だ。セットプレーでの失点は10でこの数字はプレミアワースト(21節終了時)であり、逆にセットプレーからの得点は4(同前)で同13位と少ない。

 まだリーズはプレミアリーグ流のコンタクトの激しい空中戦に慣れていないとも見ることができる。

 プレミアリーグでリーズが各チームと互角以上に闘っていると評することが出来るのは、後半戦に入り前半戦で負けたチームにリベンジを果たしているからだ。3位につける好調レスターには第7節(1-4●)で大敗したものの、第21節(3-1〇)とキチンと借りを返した。同様に第8節(4-1●)で敗れたクリスタルパレスにも、第23節(2-0〇)でリベンジしている。

 そこで注目されるのがトップチームにもリーズはリベンジ出来るのかという点だろう。リバプール(3-4●)、マンチェスター・ユナイテッド(2-6●)、マンチェスター・シティ(1-1△)、アーセナル(0-0△)(2-4●)、トッテナム(0-3●)、チェルシー(1-3●)といったトップ6と呼ばれるチームに勝てていない。

 リーズのサッカーは、時に相手の良さを引き出してしまうことがある。2-6と大敗した14節のマンチェスター・ユナイテッド戦や前半で大量リードを許し2-4で敗戦した24節のアーセナル戦などがその一例だったといえよう。

【次ページ】 ポゼッションで上回っての敗戦も少なくない

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