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【197試合無失点】世界最強GKノイアーの物語… 5歳時のテディベア、“遠足”みたいな守備範囲とオーラの秘訣
posted2021/02/20 17:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
名門バイエルン、そしてドイツ代表でもキャプテンを務める世界屈指の名手マヌエル・ノイアーは、GKに対する一般的な認識を変えた選手といっても過言ではないだろう。
これまでに獲得したタイトルはなんと24個。ワールドカップ優勝、CL優勝2回、UEFAスーパーカップ2回、FIFAクラブワールドカップ優勝2回、リーグ優勝8回、カップ優勝6回、さらにDFLスーパーカップ優勝4回。GKとして2度3冠を達成したのは、ヨーロッパではノイアーだけだ。
個人としても世界最優秀GKに5度輝き、今季はブンデスリーガ通算無失点試合197試合という新記録を達成している。
記録を破られた英雄オリバー・カーンは557試合まで出場して引退したが、ノイアーはその時点で423試合。ちなみに、100試合以上でプレーしているGKで出場試合数より失点数が少ないのは歴史上ノイアーのみである(423試合出場340失点)。
5歳でGK、ゴール横にテディベアを置いて……
そんなノイアーの半生を振り返ってみよう。
ドイツのルール工業地帯にあるかつての炭鉱町ゲルゼンキルヘンに生まれたノイアーは、5歳の頃にはすでにGKとしてプレーしていた。ドイツのテレビで紹介された当時のビデオ映像には、自身と同じくらいの大きさのテディベアをゴール横に置いて、失点したら泣き出し、テディベアを抱きしめるという、なんとも微笑ましい姿が映し出されている。
小さいときから熱狂的シャルケファン。週末はファンブロックで声をからして応援していた。ただ、実は生粋のサッカー少年というわけではなかったようで、TGゴルドバイス・ゲルゼンキルヘンというクラブでテニスも楽しんでいたという。
当時のアイドルはボリス・ベッカーだったようだ。
その後、プレーすることになったシャルケの育成チームを順調に駆け上り、19歳で最初のプロ契約をかわすと、2006年8月ミルコ・スロムカ監督のもとでデビューを果たす。