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鬼才・ビエルサが負けても、批判されてもスタイルを変えないワケ【自分の信じているものと共に死ぬ】
text by
赤石晋一郎Shinichiro Akaishi
photograph byGetty Images
posted2021/02/20 11:00
マンUに6対2と大敗したが、そんなことで自らのスタイルを変えるビエルサではない
「両方のチームの攻撃における生産性は非常に似ていました。リーズは11のゴールチャンスを作り2ゴールを獲得しました。マンチェスター・ユナイテッドは8つのゴールチャンスを生み出し6ゴールを挙げました。
マンチェスター・ユナイテッドが作り出した危険な場面がリーズよりも多かったのは“正当”なことかもしれませんが、“真実”はリーズもマンチェスター・ユナイテッドと同等の危険を生み出したということにあります。ただ、彼らは私たちよりもチャンスをうまくフィニッシュすることができたということです。
デュエルにおいて上回ることが出来なかった
強調すべき別の観点として『デュエル』(1対1)があります。デュエルにおいて私たちは彼らを上回ることは出来ませんでした。
それには2つの側面があります。
まずフィジカル的な要因。フィジカルという場合は『集中力』、『爆発性』、『アグレッシブ性』を評価する必要があります。おそらくリーズとマンチェスター・ユナイテッドの2チームにはフィジカル的な面において大きな差はありませんでした。
一方で技術的な面においては、特定の状況下でマンチェスター・ユナイテッドの選手は私たちを上回りました」
特定の局面における選手の技術の違い
チャンス数に関しては、リーズもマンチェスター・ユナイテッドもほぼ互角だった。運動量などのフィジカル的な側面においても引けを取っていたようには見えなかった。マンチェスター・ユナイテッドサイドでゴールを決めたのはマクトミネイ、ブルーノ・フェルナンデス、リンデロフ、ダニエル・ジェイムズ等のトップクラスの選手たちだった。つまりリーズは試合展開では決してマンチェスター・ユナイテッドには引けを取っていなかったが、特定の局面において選手の技術の違いがゴールに直結する結果になってしまった、ということなのだろう。
マンチェスター・ユナイテッドに4ゴールを先行された前半42分、リーズはコーナーキックからDFクーパーのヘディングで1点を返す。