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エディー・ジョーンズ「キャプテンは熱湯に耐えよ」~名将が語る理想像~
posted2021/02/09 07:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Ichisei Hiramatsu
'15年W杯の日本と、'19年W杯のイングランドの共通点。それは、本大会に至るまでの強化プロセスにおいて、然るべきタイミングで「主将交代」に踏み切ったことだ。その決断には、指揮官の明確な意図と目的が存在した。数多のチームを率いてきたエディーさんのキャプテン論。
――今日はキャプテンについてうかがいます。エディーさんが作るチームでは、ヘッドコーチ(HC)とキャプテンは共に過ごす時間も長いし、緊密な関係を結びますね。
エディー・ジョーンズ(EJ) コーチはビジョンを示し、キャプテンをはじめリーダーたちは、それを具体的に選手たちに落とし込みます。両者の関係性は、チームの結果に直結するでしょうね。
――エディーさんが2012年に日本代表のHCに就任された時、キャプテンに廣瀬俊朗を指名しました。
EJ 当時の日本代表には、なにより変革が必要でした。世界の舞台では負けるのが当たり前になっていて、そんな発想に慣れている人間は必要なかった。廣瀬ならイチから代表のカルチャーを変えてくれる可能性を感じていたんです。もともと、彼は慶應でキャプテンをしていた時から、知性的でバランスの取れた青年でしたし、私がサントリーのHCとして廣瀬がリーダーを務める東芝と対戦すると、彼がチームの核であることは一目瞭然でした。どんな状況になっても諦めないし、仲間を鼓舞する。日本代表の変革のためには、廣瀬の前向きな姿勢と知性が必要だったのです。