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田中将大は凄い…世代別「高校No.1」&「プロNo.1」リストで分かる“トップ維持”の難しさ【松坂世代から】 

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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photograph byKyodo News

posted2021/02/02 11:02

田中将大は凄い…世代別「高校No.1」&「プロNo.1」リストで分かる“トップ維持”の難しさ【松坂世代から】<Number Web> photograph by Kyodo News

楽天復帰が決まった田中将大。坂本勇人、前田健太ら同世代のライバルたちに負けない活躍を見せられるか

 松坂の日米通算170勝は世代トップだが、藤川球児の60勝、243セーブ、163ホールドの方が上ではないかという声もある。松井にしても今後、森や山岡泰輔などがいることを考えると、トップの座は決して安泰ではない。

 田中も同期には昨年史上2番目の若さで2000本安打を達成した坂本勇人という大きな存在がいる。また、同じ投手の前田健太も昨年サイ・ヤング賞の投票で2位となり、通算勝利数でも150勝をクリアしている。メジャーでの実績という点も考慮すると現時点では田中が一歩リードしていることは間違いないが、今後、坂本と前田が更に成績を伸ばして追い抜く可能性も十分にありそうだ。

 今回紹介した以前の年代を見てみても清原和博の世代には佐々木主浩、松井秀喜の世代には黒田博樹、岩瀬仁紀のように、高校でもプロでも圧倒的にNo.1と思えた選手でも、後から強烈な追い上げを受けた例は多い。長きにわたって世代のトップランナーとして活躍し続けていくことがいかに難しいかがよく分かる。

マー君世代のNo.1争いに注目

 田中がアメリカでプレーしていた7年の間に日本球界でも新たな強打者は次々と台頭しており、日米の環境の違いや長年の勤続疲労を危惧する声も聞こえてくる。3人に共通している強みの一つは長期離脱するような大きな故障のない体の強さだが、高校時代からの負担という意味では田中が最も大きいようにも見える。田中が坂本、前田らを振り切ってこのままトップとして逃げ切ることができるのか。06年世代のNo.1争いはここからが第2章となりそうだ。

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