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【手記】大学4年で早稲田大ラグビー部に入部したらどうなるのか? 「早稲田スポーツ」記者の異例の挑戦
text by
千葉洋介Yosuke Chiba
photograph bySportsPressJP/AFLO
posted2021/01/21 06:00
選手権連覇とはならなかったが、丸尾主将を中心に難しいシーズンを乗り越えてきた早稲田ラグビー部
早慶戦に勝利した早稲田ラグビー部は“年越し”を決めました。1月1日に行った恒例のゲバ(部内マッチ)後には、チームメンバーすべての思いを背負った出場メンバーによる決意表明が行われます。一人ひとり、次戦に向けての勝利を誓う中、トライゲッターであるWTB古賀由教(4年)が涙を堪えながら発した言葉が印象的でした。
「来週もみんなでまたラグビーがしたいです」
4年生を中心に、それぞれが秘める熱い思いに触れて、私の心にも火がついたことを覚えています。
最後まで「BATTLE」を続けた早稲田
帝京大学との接戦を制して迎えた大学選手権決勝。
その前日には最後のゲバが行われ、4年生を始めとした多くの選手が涙を流しながら、最後の練習を終えました。部員全員が一丸となり挑んだ天理大学戦は、相手の激しいプレッシャーを前に敗戦。悔しい結果となりましたが、ピッチに立った選手たちは最後の最後まで「BATTLE」を続けました。歓喜に沸く天理大の横で泣き崩れる選手たち。その姿を一生忘れることはありません。
試合後、丸尾主将が私たちにこんな言葉を残してくれました。
「何が足りなかったか、今はわからない。こんな思いはして欲しくない。来年はそれを見つけて優勝してほしい」
一本締めで103代早稲田大学ラグビー蹴球部は幕を閉じました。
無謀な挑戦かもしれない
浪人して早稲田ラグビーの門を叩く者はたくさんいます。ただ、私のように4年を迎えたタイミングでの挑戦は珍しいことだと思います。それでも挑戦したのは、やり残した思いを抱いたまま卒業したくなかったからです。
1年間は力不足を痛感することばかりでしたが、この経験を糧にして、早稲田ラグビー部の一員として恥のないように過ごし、選手として人として成長ができるよう日々精進していきます。無謀な選択を許して下さったラグビー部や家族への感謝とあの日の兄の言葉を胸に、そして憧れの「赤黒」のジャージを掴むために、新シーズンもラグビーに一生懸命挑みます。応援よろしくお願いします。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。