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【高校ラグビー】「“聖地”花園の最寄り駅やけど…」近鉄奈良線の“ナゾのラグビー駅”「東花園駅」には何がある?
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri
posted2021/01/03 11:04
近鉄奈良線のナゾのラグビー駅「東花園駅」には何がある?
郊外のベッドタウンの駅前のような雰囲気だ。そしてラグビーらしさも満載である。駅舎の壁面に掲げられている駅名の横には巨大なラグビーボールがあしらわれているし、ロータリーの向こう側にはヘッドギアをかぶってラガーシャツに身を包んだマスコット(「トライくん」という東大阪市のマスコットらしい)が立つ。
さらに駅前通りの向こうのJAの屋上にもラグビーボールのオブジェがあって、支店名はその名も「花園ラグビー支店」。(ラグビーをつける必要もないんじゃないかと思ってしまうが)それだけこの地域は“ラグビーのまち”としての誇りを持っているのだろう。
花園ラグビー場は、この“ラグビー支店”の横の道(スクラムロードというらしい)をまっすぐ北に歩けばものの5分ほど。道すがらに昭和の面影を感じるような小さな飲み屋があったり、真新しいビルがあったり、再開発の間にあるような空気感が漂う。ラグビー場は去年のワールドカップでも見たあの姿。公園のようになっているその周辺に、地元の人が何人も散歩を楽しんでいた。
そもそも……なぜ花園にラグビー場ができたのか
ここで花園ラグビー場のルーツを少しだけ探ってみることにしよう。このラグビー場ができたのは1929年のこと。近鉄の源流企業である大阪電気軌道によって建設された。その頃の東花園は今のような住宅地ではなくて、それこそ南側の恩智川沿いのように牧歌的な田園地帯に過ぎなかった。それがどうしてその時期にここにラグビー場ができたのか。