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ソン・フンミンは経済効果1886億円&パク・チソンとの比較論 蔚山ACL制覇&神戸との“VAR論争”【韓国サッカー2020】 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byGetty Images/Shigeki Yamamoto

posted2020/12/30 17:00

ソン・フンミンは経済効果1886億円&パク・チソンとの比較論 蔚山ACL制覇&神戸との“VAR論争”【韓国サッカー2020】<Number Web> photograph by Getty Images/Shigeki Yamamoto

ソン・フンミンとパク・チソン。韓国サッカーが生んだ2大スターであることは間違いない

VARによって泣いた神戸、勝った蔚山

さて、本題の1つ目、12月19日の蔚山のアジアチャンピオンズリーグ優勝だが、これはまた別の物議を醸した。

「VAR判定」

 準決勝ヴィッセル神戸戦での出来事は既報のとおりだ。日本側からAFCに抗議が入った。不服だと思うことに意見するシステムがあるのであれば、これを行使するのは当然のこと。逆に言わなければ「何も思っていない」と思われるのが国際舞台での常だ。

 いっぽう、今回の出来事では別の観点から眺める必要がある。このシステムへの“慣れ”だ。

 つまり、「判定が悪い方向に出た際のメンタルの切り替え」。試合後に色々と思うことも当然あるだろうが、要はゲームが進行している、その瞬間にどう思うかだ。

 これはACLに臨むJリーグ勢にとっての新たな課題となる。来季からVARが再導入されるが、「1年遅れた」という課題をストレートに突きつけられたのだ。

三木谷会長の抗議に韓国側は……

 この神戸の敗戦からせめて何かを得る意味でも、「韓国側の言いっぷり」の紹介を。

 保守系大手紙「朝鮮日報」は14日に「日本には不可解なVAR判定 神戸オーナーが蔚山戦の判定に疑問、なぜ?」という記事を掲載した。

 三木谷浩史会長が判定への抗議をSNSに掲載した点を引用し、こう反論した。

「Kリーグ代表の蔚山は、今年のACL準々決勝後に導入されたVARシステムで最も適応ができているように見え、結果として最大の成果を得た。Kリーグは2017年後半に世界で7番目に早く、アジアで最初にVARを導入した。選手自身がVARシステムにうまく適応しているだけでなく、審判が見ていない盲点や見逃した領域を正確にキャッチするVARに対する一定の信用を持っている」

「VARは、微妙な判定すべてで活用できるものではない。勝敗に影響を与えるゴールシーン、ペナルティキック、退場、およびファウルプレイヤーの確認の4つの状況にのみ適用される。この日の準々決勝でVAR判定の対象となったシュートはすべて、試合に影響を与えたシュートだった」

「Kリーグでは、レフリーが通常、現場でのビデオ画面を確認した場合、ライブ画面でそのシーンがファンと共有される。しかしVARを実行するのは100%の審判の権限だ。選手や監督がそれを求めることはできない。だから試合後にチームサイドから『なぜVARを使わなかったのか』という不満が出ることがある。それでも試合中にVARが採用されたシーンに関して言えば、素直に判定を受け入れる。今年の11月29日、Kリーグ2部の水原FCと慶南FCの昇格プレーオフにおいて、後半のアディショナルタイムに運命を変えるVARのPK判定があったが、選手も監督もファンもすべてがこれを受け入れた」

【次ページ】 「VARにぶれないメンタル」がミソ

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