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ソン・フンミンは経済効果1886億円&パク・チソンとの比較論 蔚山ACL制覇&神戸との“VAR論争”【韓国サッカー2020】
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images/Shigeki Yamamoto
posted2020/12/30 17:00
ソン・フンミンとパク・チソン。韓国サッカーが生んだ2大スターであることは間違いない
「VARにぶれないメンタル」がミソ
なぜVARをやらない、という意見は出こそすれ、その判定結果には従う、という点を論じている。これこそが「VARにぶれないメンタル」のミソだというのだ。相手はそう言っている。
その他、蔚山の優勝からは「韓国2番手クラブ」も力があると示された点は注視すべきだ。圧倒的な国内1強の全北現代が負傷者続出によりグループリーグ敗退を喫したが、「2番手」にも力があるのだ。
逞しくなったユン・ビッカラム
また優勝に貢献するとともに、大会MVPを受賞したユン・ビッカラムにも注目だ。2012年に代表デビュー以降は、クラシカルなタイプのゲームメーカーと見られ、一時消えていた選手だった。中国リーグで外国人として戦うなどの経験から、結果を出せる逞しいスタイルに変身、復活したのだ。
また、それぞれグループリーグ、16強敗退を喫したFCソウルと水原三星の凋落も触れておくべき点だ。両チームはカップ戦優勝などでなんとか今季のACL出場権を得たものの、この2年間は国内リーグで残留争いに巻き込まれるほどになった。LG系、SAMSUNG系の国内有数のリッチクラブとて、絶対的存在にはなりえない。
日本でも浦和レッズや横浜F・マリノス、ガンバ大阪など資金力豊富なクラブが中位以下に沈むことがある。欧州がますます“資本力=強さ”となっている傾向のなか、これはアジアの特徴なのか、はたまた発展途上の姿なのか。2020年代にどう変わっていくか。この点は少し長いスパンで注目を。
ソン・フンミンの「プスカシュ賞」受賞
もうひとつ大きな話題は17日のソン・フンミン「プスカシュ賞」受賞。
これは12月7日のプレミアリーグ第16節、バーンリー戦での70m級のドリブルシュートが「今年一番美しかったゴール」と認められたもの。
まあ日本の読者としては、リスペクトはすれど素直に「ソン・フンミンすごい」と拍手ばかりもしていられない心情もあるのではないか。