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ソン・フンミンは経済効果1886億円&パク・チソンとの比較論 蔚山ACL制覇&神戸との“VAR論争”【韓国サッカー2020】

posted2020/12/30 17:00

 
ソン・フンミンは経済効果1886億円&パク・チソンとの比較論 蔚山ACL制覇&神戸との“VAR論争”【韓国サッカー2020】<Number Web> photograph by Getty Images/Shigeki Yamamoto

ソン・フンミンとパク・チソン。韓国サッカーが生んだ2大スターであることは間違いない

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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Getty Images/Shigeki Yamamoto

 新型コロナ禍の影響により、2020年のサッカー日韓比較は成立し得ないかにもみえた。しかし12月に入って韓国側に大きな動きがあった。

・蔚山現代、アジアチャンピオンズリーグ優勝。 
・ソン・フンミン、FIFAより「年間でもっとも美しいゴール」の賞、フィレンツェ・プスカシュ賞を授与される。

 1月にタイで行われたAFC U-23選手権での日本のグループリーグ敗退、韓国の優勝はもはや「今は昔」の感もあるが、これを含めるとピッチ上の結果は「韓国が優勢だった」と締めくくらねばならなくなった。

 2020年の韓国サッカーのなかから、日本からも見ておくべき、いくつかのポイントを。

「韓国vs韓国U-23代表」はコロナ禍で興味深い施策

 本題に入る前に、両国ともにコロナ対策が大きなテーマとなった点は外せない話題だ。韓国は国内リーグにおいて選手からの感染者ゼロという状況を作り出したものの、11月の代表欧州遠征では選手7名スタッフ3名の計10名の陽性判定者が出た。そういったなかでも、10月のフル代表の活動はひとつアイデアとして見るべき点があった。

「韓国VS韓国」

 国内にて、国内組主体のA代表と五輪代表が対戦したのだ。パウロ・ベント監督は国際Aマッチの開催を熱望したが、コロナ関連の国内世論もあり、KFA側はこれに踏み切れず。結局苦肉の策として10月9日と12日に続けてソウル郊外の高陽市で2試合が組まれた。無観客だったゆえ、観客のリアルの反応は図りづらかったが。ひとつだけ大きな成果があった。

 五輪代表のソン・ミンギュというドリブラーの発掘だ(ソン・フンミンは「孫」で、ソン・ミンギュは「宋」)。

 ポハンスティーラース所属の21歳。181センチ72キロのウインガーだ。9日の試合でフル代表守備陣3人を切り裂くドリブルから、同点ゴールを決めた。五輪代表初招集での好プレーもあり、Kリーグでも好調を維持。27試合で10ゴール6アシストを記録し今季の新人王を獲得。メディアも「圧倒的存在感」と報じるほどだった。

 何より 「A代表、五輪代表の2監督が見ている試合」という状況のなか結果を出したのだ。翌11月のA代表欧州遠征は海外組主体で組まれたため、「新たなソン」が代表に選ばれることはなかったが、最高の「新素材発掘機会」となった。コロナ禍によって通常のAマッチ開催が難しいなか、日本にとってもこの試合の開催のアイデアは知っておいても悪くはないものだ。 

【次ページ】 VARによって泣いた神戸、勝った蔚山

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