月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
藤井聡太、高木守道、大坂なおみ…勝手に選定「スポーツ紙見出し大賞2020」は、まさかの“バイデン勝ち”?
posted2020/12/29 11:02
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Hideki Sugiyama/JIJI PRESS
誰にとっても大変だった2020年。スポーツ紙で今年1年を振り返ってみてみよう。印象的な見出しがたくさんあった。名付けて「スポーツ紙見出し大賞2020」です。
「『高木監督』ではなく『守道監督』にしてほしい」
まず1月18日・東京中日スポーツ。
『バックトスは永遠に 守道さん死去』
ミスタードラゴンズ高木守道氏の急逝。トーチュウは現役時代の華麗なるバックトスを見出しに。そして他紙が「高木」だったなか「守道」と。
その理由は一面で記者が振り返っていた。高木氏が70歳で2度目の監督に復帰した2011年オフに「中日スポーツの見出しを『高木監督』ではなく『守道監督』にしてほしい」という申し出があったという。
《「その方が、ファンも身近に感じてくれると思うんだよ。「守道、何やっとんだ!」と怒ってもらえれば……》
ファンのことを考えていた高木さん。だからトーチュウは最後まで「守道」だった。
3月を迎えると例年ならプロ野球の開幕を控えてスポーツ紙は華やかになるが、この頃の見出しを振り返るとコロナの影が。
『おかわり弾 春色に染めて!!#休校になった君たちへ 孤独な自習の気分転換に』(日刊スポーツ3月4日)
日刊スポーツはコロナ禍で全国の学校が一斉休校となってから「#休校になった君たちへ」というキャンペーンを始めた。この日は西武・中村剛也選手のホームラン姿をイラストで大きく載せて「塗り絵」に。休校で家にいる子どもたちへのプレゼント。
苦しいときも「ダジャレを忘れない」
続いては3月13日の一面見出し。
『甲子園名物応援消える?六甲おろし大合唱ピンチ』(サンスポ関西版3月13日)
『無音開幕 最短4・10 坂本弾でもタオル回せない』(スポーツ報知3月13日)
この頃はまだ「応援ができない」ことが心配だったんだなぁとわかる見出し。
しかしその翌日急転する。スポーツの祭典に暗雲が漂う。
『東京五輪通常開催厳しい』(日刊スポーツ3月14日)
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は新型コロナウイルスによる開催の可否について「世界保健機関(WHO)の助言に従う」と発言。「強気一転及び腰」(日刊スポーツ)となった。
スポーツ報知の「記者の目」は、「潮目が変わった」と書いた。そのあとの展開はご存知の通り。
デイリースポーツはこの日、
『スポーツ界パンデミッ苦』(3月14日)
こういう状況でもダジャレを忘れない。