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【記録で12球団総括】ヤクルト低迷と“HR出すぎの神宮球場” 逆襲に必須な山田哲人の復調、投手陣の課題は?

posted2020/12/22 17:01

 
【記録で12球団総括】ヤクルト低迷と“HR出すぎの神宮球場” 逆襲に必須な山田哲人の復調、投手陣の課題は?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

12球団本拠地の中でも随一の“打者優位”な明治神宮野球場。ヤクルトはその地の利を生かすチームを作れるか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 東京ヤクルトスワローズは、過去5年間で最下位が3回、5位が1回、2位が1回。ざっくり言えばテールエンダーに甘んじている。その最大の要因は本拠地の「明治神宮野球場」にあるといってよい。

<2020年チーム成績>
41勝69敗10分 勝率.373(6位)
打率.242(6位)本塁打114本(4位)449打点(5位)74盗塁(3位)
防御率4.61(6位)21セーブ(5位タイ)88ホールド(4位)139被本塁打(6位)

 神宮球場は大学野球のメッカであり、甲子園と並ぶ日本野球のひのき舞台ではあるが、この球場は21世紀以降のプロ野球においては、極めて特殊な球場だといえる。

 球場の投打のバランスを示す指標に「パークファクター=PF」がある。これは、その球場の本塁打や安打、得点などの「出やすさ」を示す指標だ。PFが1を超えれば、平均以上となる。PFが1を大きく超える球場は「ヒッターズパーク」、つまり打者優位の球場となる。

神宮は屈指の“本塁打が出やすい球場”

 以下は2015年、ヤクルト優勝の年から今年までの神宮球場、本塁打のPF、この項目において数値が低い方から数えての順位(セに限る)である。

2015年 1.34(6位)
2016年 1.53(6位)
2017年 1.44(6位)
2018年 1.53(6位)
2019年 1.31(5位)
2020年 1.36(6位)

 昨年こそ東京ドーム(1.38)に抜かれて5位になったが、リーグ屈指のホームランが出やすい球場なのだ。

 神宮球場は両翼97.5m/中堅120m/左右中間112.3m、両翼が短いうえに膨らみも少ない。球場サイズで言えば横浜スタジアム(両翼94.2m/中堅117.7m/左右中間111.4m)の方が小さいが、フェンスの高さは横浜が5mに対し、神宮は3m。また海が近い横浜スタジアムより、ボールが乾燥しやすいともいわれ、PFが高めの数字になっている。

強打者をそろえるのには金がかかる

 一般的に、ヒッターズパークでのチーム作りは、ピッチャーズパークよりも難しい。ピッチャーズパークなら、計算が立つ投手を複数そろえることは可能だが、ヒッターズパークでは通用する投手が少なくなる。

「投手が駄目でも、打ち勝てばいい」と思うかもしれないが、強打者をそろえるのは金がかかる。ヤクルトは金満球団ではないから、それはなかなか難しいのだ。

 ヤクルトの低迷を物語る数字が「ホームラン収支」だ。

【次ページ】 “本塁打収支”が成績に直結する

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