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【退団インタビュー】DeNAラミレス前監督の柔和な表情が、厳しく変化した“ある選手の言葉”とは

posted2020/12/20 11:04

 
【退団インタビュー】DeNAラミレス前監督の柔和な表情が、厳しく変化した“ある選手の言葉”とは<Number Web> photograph by KYODO

最終戦を終え、手を振るラミレス。監督5年間の通算成績は692試合で336勝337敗19分とわずかに負け越したが、3度のAクラスに導いた

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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 最後まで驚かせてくれた監督だった。

 横浜DeNAベイスターズの今季最後の公式戦が行われた11月14日、アレックス・ラミレスはこの日をもって5シーズン務めた監督を退任した。

「ベストを尽くしてやってきたから後悔はない」とラミレスは力強く語り、慣れ親しんだ横浜スタジアムから去っていったが、何とその日の晩に自身の公式YouTube『ラミちゃんねる』をスタートさせた。この人の裏をかくようなスピードと発想力。これぞまさにラミレスたる所以だろう。

「もうチャンネル登録してくれましたか?」

 ラミレスは笑顔でそう尋ねてきた。もちろんです、と答えると嬉しそうにうなずいた。

「新しい挑戦というか、野球だけにとらわれることなく、いろいろなことをやっていきたいと思っているんです。あとはゆっくり家族と過ごすこと。これがすごく重要なんだ」

“頑固”と言われるほど貫いた「データ8割、フィーリング2割」

 退任から数週間後、監督時代と変わらぬ柔和な口調。ラミレスといえば「データ8割、フィーリング2割」が、指揮をとる上の信条であることは有名だったが、YouTubeへの進出もデータに基づいたものなのか、と冗談半分で尋ねると「オフコース!」と声を上げた。

「これもやはりYouTubeやマーケティングのことを調べて分析したゆえのトライなんだよ。これまでなかなか話すことのできなかったことを自分から発信することができるし、多くの人にメリットがあると思ったからさ」

 ラミレスはこの5年間、変わることなくデータを徹底的に分析し、一方で自分の感覚に頼ってきた。時にそれは“奇策”と呼ばれ、また理に適ってはいないと多くの批判を浴びてきた。もちろん2017年のクライマックスシリーズから日本シリーズにかけての絶妙な采配や2019年には筒香嘉智を2番やサードで起用、そして今季は佐野恵太を4番キャプテンに大抜擢するなど通常では考えられないことを成功させてきた例は数多くあるが、やはりミスを犯せば悪目立ちするのが世の常である。いくらデータの裏付けがあったとしても、数回ミスが重なってしまえば大胆な手を打つのに躊躇しがちだが、ラミレスは恐れることなくトライをしてきた。それは“頑固”と言われるほどのものだった。

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