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満身創痍リバプール、DF壊滅&主将離脱でも補強しない? “博学の23歳CB”や南野拓実もチャンスか
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/11/22 17:00
ファンダイク(中央)に続きジョー・ゴメス(左)、アーノルドが負傷離脱。リバプールにとって大きな痛手だが、クロップ監督はどう乗り切るか
根拠は3つ。
ひとつはここまでの冬の移籍市場における活動状況だ。ユルゲン・クロップ政権が始まった15-16シーズン以降の5年で、冬に完全移籍で選手を獲得したのはマルコ・グルイッチ、ファンダイク、そして昨季の南野拓実の3人のみだ。
クロップは新しく入った選手を時間をかけてチームにフィットさせる傾向があり、シーズンの真っ只中にある冬の移籍市場ではあまり活発に動かない。
夏の移籍市場で約110億円を費やしている
2つ目は今夏の移籍市場での動き。リバプールはこの夏コスタス・ツィミカス、チアゴ・アルカンタラ、ディオゴ・ジョタを獲得した。総額8170万ポンド(約110億円)は決して安い額ではない。おそらくは冬の補強をしない前提で動いているはずだ。
補強するとなれば開いた穴を埋められる、即戦力級の選手だ。そのような選手を、ましてやシーズン中に引き抜くとなれば多額の移籍金を要する。
かねてから獲得を熱望し、資金を捻出したファン・ダイクの時とは状況が違う。今回の応急処置的な補強のために、今のクラブとクロップが大きなリスクを負うとは考えにくい。
ファビーニョCB起用が現実的プラン
3つ目は現在のメンバーでも戦い抜ける可能性があるということだ。
先月末にハムストリングの負傷で離脱したファビーニョだが、現在はコンディション調整でトレーニングに復帰しているようだ。ただ復帰したところで、今季はもう本職のアンカーでの出場はないとみる。
ベストの選択肢はファビーニョとマティプでセンターバックのコンビを組むこと。ただマティプはまたいつ負傷離脱してもおかしくはなく、過密日程も加味したうえで“プランB、C”の準備が必要だ。