欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
【W杯制覇から6年】ドイツの“緊急事態” FIFAランク14位、0-6惨敗でレーブ監督に93%が「No」
posted2020/11/24 11:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
0-6。
見間違いではない。ドイツはスペインに、これ以上ないほどまでボロボロにやられた。MFトニ・クロースは「選手人生で一番苦い負けではないが、完全にやられた試合の1つであることは間違いない」と振り返った。
同じく0-6で敗れた1931年3月24日のオーストリア戦以来とも言われる惨敗。選手はグラウンドで何を思いながらプレーしていたのだろう。
サッカーの試合には、いろいろな要素が関わりあってくる。時には思いもよらない試合展開となり、予想もしない結果が生まれることもある。
一方のチームはすべてがうまくいき、一方のチームは何ひとつうまくいかない試合もある。ルイス・エンリケが率いるスペインが素晴らしいプレーを見せたのは確かだ。だとしても、W杯優勝4度のドイツが0-6で負けるとは。各国メディアが「破滅的な結果」と大々的に取り上げたのも頷ける。
スペインとの間で行われたUEFAネーションズリーグのグループリーグ最終戦、ドイツは引き分け以上で首位を守ることができた。産声をあげたばかりの大会とはいえタイトルが懸かった試合であることは間違いない。テストマッチではない。
レーブ監督が分析する敗因は……
いったい、ドイツに何が起こったのだろう?
ヨアヒム・レーブ監督は「立ち上がり自陣でコンパクトにスペインを迎え撃ち、ボール奪取後に素早い攻撃を仕掛ける」ことを狙っていた。ところが、17分にアルバロ・モラタに先制点を許すと、ドイツはオープンな戦い方を始めてしまう。
「0-1とされてから突然前からプレスをかけるようになり、スペースを空けてしまった。コンセプトはどこかへいってしまった。組織も、サポートも、コミュニケーションもなくなった」
レーブ監督は試合後、その顔にショックをありありと浮かべながら分析したが、不用意な守り方をすることで相手にやりやすい形を与えてしまった。