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満身創痍リバプール、DF壊滅&主将離脱でも補強しない? “博学の23歳CB”や南野拓実もチャンスか
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/11/22 17:00
ファンダイク(中央)に続きジョー・ゴメス(左)、アーノルドが負傷離脱。リバプールにとって大きな痛手だが、クロップ監督はどう乗り切るか
ジョタが好調、南野に出番は来るのか
中盤はヘンダーソンが離脱したが、長引くものではないと予想されており、チアゴも復帰に近いとみられている。彼らを除けばジョルジニオ・ワイナルドゥム、ナビ・ケイタ、カーティス・ジョーンズ。これにインサイドハーフでもプレーできるジェルダン・シャキリを含めた4人で構成するしかないが、全体的には危機的という状況ではない。
いずれにしても7失点したアストンビラ戦のように、キャプテン不在のチームが集中力を欠きやすいきらいがあり、そこには用心しなければならないところだ。
前線はモハメド・サラーが新型コロナ感染で出場できない。いち早くチームにフィットしたディオゴ・ジョタを右で使うというのがベストな選択だろう。
ディフェンスラインが本来のメンバーではないということもあり、よりチーム全体の守備に対する姿勢が問われることとなる。もともと守備意識の高いチームではあるが、前線の選手にはこれまで以上に献身的なプレッシングが求められる意味では、南野にもチャンスが回ってくるかもしれない。
レスター戦が終わっても満身創痍は続くが
壊滅状態のディフェンスライン、キャプテンも不在の状態で今季のタイトルレース主導権をかけたレスター戦に挑む。この試合が終わっても、満身創痍の状態で20-21シーズンを戦い抜かなければならない。
プレミアリーグに、FAに、UEFAに壊されたリバプールは、果たして王者の地位を守り抜くことができるだろうか。
嵐の先には 金色の空が広がり 雲雀が甘く澄んだ声でさえずっている――
これは王者を追い込む大ピンチとともに、今のメンバーで切り抜け選手層を厚くするチャンスでもある。
試合前に流れる『You’ll never walk alone』を聞き、不屈の精神で30年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた選手たちなら、この負傷者続出の“嵐”をも乗り越えられるはずだ。